第80話【どーんとおまかせあれ!】

「ただいま」


「おじゃまします」


カエデから了解というメールが帰ってきたため、沙耶と一緒に家に帰る。


「あ、お兄さん。

おかえりなさい」


「おかえり〜」


カエデと琴音ちゃんが先に家に帰っており、琴音ちゃんリビングで勉強する準備をしていた。

ついでに言うと、カエデはいつも通りゴロゴロと転がっていた。


「琴音ちゃん、久しぶりだね。

元気にしてた?」


「はい、お久しぶりです。

私は元気でしたよ?

お兄さんは彼女さんが出来て元気いっぱいだってカエデちゃんから聞いてますよ」


琴音ちゃんが笑いながら言う。


カエデは何変なこと教えてるんだよ。

後でお仕置きだな。


ブルブル!

「え?

何今の悪寒」


俺の殺気をくらったのかカエデが体を震わす。


「あの、快人くん」


あ、やべ!

沙耶を放ったらかしにしてた!


「あ、悪い。

琴音ちゃん。

こちらが俺の友達で沙耶だ。

で、こっちの子がカエデの親友で琴音ちゃんだ」


俺はお互いを紹介する。


「快人くんの恋人候補の沙耶です。

よろしく」


あなたは初対面の人に何言ってんの?

もうめんどくさいから突っ込まないけど。


「御阪琴音です。

カエデちゃんの親友をやらしてもらっています。

よろしくお願いします」


「よし、挨拶も済んだし勉強始めるか。

おい、カエデさっさと準備しろ」


「は〜い」


沙耶とカエデが勉強の準備を始める。


「皆、お茶でいいか?」


「うん」


「お願い」


「私もお手伝いします」


先に準備をしていた琴音ちゃんが手伝いに来てくれる。

本当にいい子だな。

カエデも少しは見習って欲しいものだ。


「じゃあ、お茶の準備お願い。

俺は何かお菓子がないか探してみるよ」


「はい、わかりました」


◇◆◇◆◇◆


沙耶視点


リビングに残された私は勉強の準備を終え、琴音ちゃんのことを目で追っていた。


「沙耶さん、琴音のことが気になるんですか?」


「え!?」


「多分だけど、今日の勉強会に参加したのも、ジンくん辺りに琴音がお兄ちゃんのことが好きかもしれないとか言われたからですよね?」


なんで、わかるの!?

もしかしてカエデちゃんってエスパー!?


「絶対とは言いきれないけど、琴音の好きは恋人になりたいとかの好きじゃないと思うから大丈夫だと思いますよ」


「そ、そうなの?」


「そんなに心配なら、お兄ちゃんを追い出すので聞いてみますか?」


やっぱりそれが一番手っ取り早いよね。


「カエデちゃん、お願いしてもいい?」


「どーんとおまかせあれ!」

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