第77話【コント】

「沙耶ってこう見えて結構しつこいところがあってね。

それから沙耶に会う度にお願いされまくって、一時期本気で絶交しようかとも考えてたぐらいだったの」


「え!

そこまで嫌われてたの!

本人の私も初耳だよ!」


木下さんは沙耶の嘆きも無視をして続きを話し始める。


「佐藤くんならわかってくれると思うんだけどこの子外堀を埋めるのがめちゃくちゃ上手いの」


「あ、それはわかる。

今俺の外堀の埋められようやばいよ、まじで」


「お母さんが沙耶の巧みな話術によってノリノリになっちゃってやるしかなくなった感じ」


「えーと、それはご愁傷さまです」


「えっと、美波ごめんね。

そこまで嫌がってるってわからなくて。

あの時は自分ので精一杯で。

本当に申し訳ありませんでした!」


沙耶が木下さんに土下座した。


「沙耶、顔を上げて。

あの時は本当に結構本気でボコボコにしてやりたいと思って弟のバットを借りようとしたこともあったけど今はとっても感謝してるのよ」


「もうそれボコボコのレベルじゃないよね!?

最悪死ぬよねそれ!」


「沙耶のあの時無理に私をイメチェンさせなかったら、今も私は根暗のままだったと思う」


木下さんはまた沙耶を無視して話しを続ける。


「ねえ、無視しないで。

バットでボコボコにしようとするぐらい恨んだ親友を無視しないで!」


「沙耶の華麗なる話術でイメチェンの費用もほとんどお母さんが出してくれたし今思えばとってもラッキーな出来事だったんだよ」


「その華麗なる話術ってやつも絶対に褒めてないよね?

華麗なる話術って言葉だけ少し声が大きかったのも私の気の所為じゃないよね?」


完全にネタ状態である。


「本当に二人とも仲良いよな」


俺は二人に向かって言う。


「うん!

当たり前じゃない。

私と沙耶はもし親友コンテストみたいなのがあったら優勝を狙えるぐらいの大親友よ!」


「よく一瞬でもバットでボコボコにしようと思った人、そして今現在無視をしている相手と自分は大親友だって言いきれるよね!」


沙耶のツッコミもキレキレだな。

俺と沙耶が話している時はいつも俺がツッコミ役だからなんか新鮮だな。

今度俺もボケに回ってみようかな?


「「「「はははっ」」」」


沙耶と木下さんのコントを見て二人以外は大爆笑した。


それからは軽いネタばらし的なことがあって二人もいつもの関係の仲のいい関係に戻り、勉強を再開した。


ふと思い出したけど、さっきの軽いネタばらし的なことやったとき、木下さんは弟からバットを借りようとしたことも、沙耶をボコボコにしようとしたことも否定しなかったけどあれもちゃんとネタだよね?

信じていいんだよね!

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