第11話【笑顔は怖い】
教室に着きドアを開けるとそこには松本さんが立っていた。
「快人くん、私の友達が迷惑をかけたみたいでごめんなさい」
松本さんが謝ってきた。
「別に松本さんが何かしたんじゃないんだし謝らないでよ。
謝るのは迷惑をかけた本人じゃないと意味無いでしょ」
「そうよね」
そうして松本さんが俺から目線を外し、木下さんの方を見た。
「美波、次の休み時間、私とお話ね。」
「は、はい!」
今の笑顔、めっちゃ怖い。
木下さんも震えてるじゃないか。
何か少し可哀想になってきたぞ。
「この際だから皆に言っとくね。
私は、快人くんのことが好き。
だからこれからいっぱいアピールするけど皆、邪魔しないでね」
そう、松本さんは教室にいる人達に向かって笑顔で言った。
その笑顔が怖くて皆コクコクと頭を縦に降った。
その後、先生が来たので席につき授業が始まった。
一限目が終わると、松本さんと木下さんはどこかに行ってしまった。
多分どこかで松本さんが説教してるのではないかと思う。
あー松本さん言っちゃったなぁー。
明日からこの学校の全男共から呪われるんだろーなぁー。
と落ち込んでいると。
「松本さん言っちったなぁー。
明日にはこの学校の全ての人が知ってるだろうな。
まあ、カイ頑張れ!
俺らはお前の味方だぞ!」
そうジンが慰めてくれた。
「ありがとうジン。
松本さんの好意は素直に嬉しいし頑張るよ」
やっぱりというか休み時間の度に知らない人たちが俺達の教室に来て俺を見てヒソヒソと話している。
「アイツが松本さんに告られたやつらしいぜ」
「あんな冴えないやつがか?」
「マジかよ!じゃあ俺にも可能性があったんじゃないのか?」
「いや無理だろ、現実見ろ」
「少しぐらい夢見させてくれよー」
「脅されてるとかそういう感じじゃないみたいだしアイツ何したんだろな?」
などと言っている。
まじうざい。
そう思いながら机に伏せていると奈緒が話しかけてきた。
「おう、大分参ってるみたいだね」
「見ての通りさ」
「そういえば、美波、沙耶にこってり絞られたみたいであんたみたいに机に突っ伏してるよ」
「そうか、興味無い」
「あんた本当に自分の敵だと思った人には容赦ないね」
「逆にあんなことされて興味もてという方が無理だろ」
「まーそーだねー。
でもちゃんと反省して謝りに来たらちゃんと許してあげるのよ」
「まあ、そうだな」
四限目の授業が始まりそうだったので奈緒は自分の席に戻って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます