第2話【喫茶店までの道中】
俺と松本さんが「何処かいい所ないかな?」「マックとかより喫茶店の方がいいよね?」などと話しながら歩いている後ろで、男子数人がバレバレな尾行でついてきていた。
「、、、、」
「、、、、」
「えーとちょっと行ってくるね」
「う、うん、お願い」
と2人は引きつった笑みで話したあと俺は尾行集団の所に歩いていく。
「おい、お前ら何してる?」
「なに?我らの尾行に気づいただと?
貴様ただものでは無いな?」
「馬鹿なこと言ってないでさっさと解散しろ」
「だって気になるだろ!
あのこの学校の顔とも言っていい松本沙耶さんだぞ!
その御方が貴様のような凡人を呼び出したんだぞ気にするなって方が難しいだろ!」
「おいおい、そんな興奮するなって血圧上がるぞ?
それにこんなバレバレな尾行、松本さんも気づいてたぞ。
嫌われても知らないからな」
俺が松本さんに嫌われるかもしれないぞ、と脅したとたん尾行集団は青ざめた。
「あと他の奴らはともかくタツ、俺とお前は友達だろ?
明日にでも聞いてくれれば松本さんが言っていいって言うところまでなら教えてやるよ」
「おお!さすが!心の友よ!」
「なに、金曜日の19時にテレビでやってる某子供向けアニメに出てくる普段は暴君なのに映画の時だけ妙に優しくなるやつみたいなこと言ってんだよ」
「お前、言いたいことは分かるがツッコミが長いぞ」
「うるさい!
さっさと散れ!」
と俺が放った大声と共に尾行集団は帰って行った。
「ほんまにあいつらはー」
さっきまで話していた尾行軍団のボスみたいなやつは俺の数少ない友達の1人の五十嵐辰則だ。
さっきの会話でもわかるとおり、ふざけることもあるが気の良い奴だ。
友達も多くいろんなやつと笑い合っている。
尾行集団が見えなくなるのを見守り、一息ついてから松本さんの所に戻った。
「ごめん待たせた?」
「ううん、大丈夫だよ。
ありがとう。
それにしても仲良く話してたね」
「まあ俺の数少ない友達だからな。
多分あいつらもそこまで悪気があった訳じゃないと思うんだ。
俺から言っといたからあんまり悪く思わないでやってくれ」
「ふふっ、優しいんだね」
「いや、あいつらが気になることもわかるしな」
「うん、わかった。
今日のことは佐藤くんに免じて許すことにするね」
「ありがとう。
お、あの喫茶店とかどうだ?
落ち着いてて良さそうだぞ?」
「あ、良さそうだね!
あそこにしよう!」
そんなこんなに話しているうちにいい感じの喫茶店が見つかったので入ることにした。
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