深碧

姫亜樹(きあき)

深碧

アスファルトに焼けた体を

ぼくらは深い森に横たえる

狂い乱れる夏草に

このまま埋もれて

消えてしまいたい

永遠に永遠に二人きりで


聞こえてくるのは森の声と

君のささやき


「ぼくらの出会いは間違っていた?」

「惹かれてしまった心は変えられないよ」

二人の想いは本物なのに

世界はぼくらの心を否定する

何処にも行き場のない想いに

耐え切れず君は

この深い森から

都市の雑踏の中へ帰ってゆく

ぼくは君を捕まえることもできず

ただ 深い森に埋もれていく


君の声がボクを呼ぶことは

もう・・ ない・・・・・・


ぼくは現実に戻ることが

できなくて

君の夢を見続ける

永遠に永遠に

やがてこの体が

崩れ落ちるまで・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

深碧 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る