第138話 怖い夢でも視たかな

 ウチの飼い猫チョビさん、すでに老猫だ。

 だけど猫は、いくつになっても猫のまま。

 ずっと3歳児のような存在だ。


 チョビさんも歳をとって、よく眠る。

 眠っている時間が長くなってきている。

 ソファで丸まって眠るチョビさん。


 目を覚まして、真っすぐに僕の所に来て顔を、すり寄せてくる。

「怖い夢でも視ましたか? チョビさん」


 黙って、気が済むまで僕の顔に自分の頭をスリスリと押し付けてくる。

 しばらくすると安心するのか、静かに喉を鳴らして、僕の膝の上に座る。


 言葉は通じない、だけど、なんか伝わっている気がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る