第131話 偶然とはいえ

 仕事で他社を訪れた。

 お昼は外で食べようと思っていたのだが、用意されていた。

「お弁当、用意しましたから」

「すいません、気を使っていただいて…」


 翌日、別の会社へ訪れた。

「お弁当買いに行かせましたから、こちらでお待ちください」

「すいません、気遣い感謝します」


 ……

 僕達は、顔を見合わせた。

「同じだな…」

「同じですね…」

 そう、昨日と、まったく同じ弁当だった。

 昨日との会社から50Kmほど離れた会社である。

「同じ仕出し屋なのかな」

「ですかね…まったく同じですね」

「いや…輪ゴムの掛け方が違うな」

「……ソレ関係あります?」

「……ないな」


 仕出し弁当業界の、なわばりの広さに驚愕した日であった。

 毎日、同じ弁当を作るのかな?

 コスト重視?

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