第14話 初体験×2

 ペイペイの登録が終わった。

 こうなると使ってみたくてしょうがない。

 子供と同じである。


「なんか得っぽい」

 それだけでクレジットを作り登録してみた。


「行くしかねぇ!!」

 だけど…まごまごして他の人に迷惑をかけてはいけない。

 スーパーの閉店間際まで待つことにした。


 小心者なので背水の陣で挑まないと尻込みしてしまう。

「スマホのみで挑もう」

 財布を持たないで店内へ…


 いざ会計…ペイペイのPOPも確認済み。

 そしてレジへ並ぶ…ドキドキする。

 もし登録できてなかったら?


「お待ちのお客様、コチラへ」

 メッチャ僕を見ている…

 そこは無人会計システム…

「おいおい…使った事ねぇよ…」


 だが…おばちゃんが僕を見ている、呼んでいる~!!

「初めてなんですが…」

「大丈夫ですよ、簡単ですから」

「ペイペイで支払いたいのですが…」

「はい、大丈夫です」


 なんか初めて風俗を利用したときみたいだ…いや失敬。


 おばちゃんに身を委ねる…

『もう一度通してください』

「なんと?」

「大丈夫ですよ」

 完全に初体験とベテラン嬢である。


「コチラのQRコードを読みこませてください」

「はい」

『認識できません』

(マジか?)

「変ですね…」

(ダメなん?)

「もう一度」

『読み込めません』

「あれ…オカシイな…ちょっと放してみてください」

『ペイペイ♪』

(いったぁー!! っしゃあ!!)


「ありがとうございました」

「こちらこそだぜ、ありがとうございました」


 一晩で2度の初体験を経験しました。

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