イースターエッグは夢を見るⅡ

姫亜樹(きあき)

イースターエッグは夢を見るⅡ

ぼくはたまごの中で夢を見ていた

ずっとずぅっと永い間

傷つくことを恐れ

楽な方へ楽な方へ逃げながら

たまごの中でいつまでも手に入らない

夢を見続けていた


ぼくは気づかなかったんだ

君にノックされるまで

自分を守るたまごの中にいるかぎり

夢を叶えることができないと

過去をしっかり見つめ反省し

同じ過ちを繰り返さぬように生き

すべての出来事や出会いは

自分のためにあると信じて

ぼくはたまごを飛び出した


青く広大な空に向かって

背伸びをする

窮屈なたまごから出て

ぼくはおもいっきり体を伸ばした

大地にはたくさんの

白い白いたまごたちが並んでいる

そのたまごたちにノックをしながら

ぼくは自分の夢に向かって歩こう

すべてを自分で決めて

すべてに責任を持って

ぼくはぼくの夢を叶える


今日もイースターエッグの中

たくさんの魂たちが

恐怖に打ち勝つその時を求めて

殻を破るその日を夢見て

ふるえている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

イースターエッグは夢を見るⅡ 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る