第11話
大晦日、俺は年越しそばをすすりながらテレビのチャンネルを色々と変え、11時すぎにさーやんと一緒に神社へ向かった。駅で着物姿のアリ姉と明日香が合流。そのまま4人は神社に向かった。そして神社に着き、午前0時。ついに年越しの瞬間。除夜の鐘とともに、「あけましておめでとうございます」という声が四方八方から聞こえてくる。そして願い事をし、おみくじを引く。結果・・・
僕「あ、吉だ」
アリ姉「小吉」
さーやん「大吉!」
明日香「げっ、凶出た・・・」
結局、明日香を慰める形となり、そのまま帰路についたのは言うまでもない。そしてアリ姉からは、「トシ、たまにはこっち帰りなよ。じいちゃんもばあちゃんも心配していたぞ?それに、トシがいなくなってから私も寂しいし・・・」と言われた。・・・最後のは何なんだ?
という訳で午後、僕は父さん・楓さん・さーやんとともに、じいちゃんの家、もといアリ姉の家に行くことになった。
◇ ◇ ◇
そして翌2日、僕はさーやん・優さん・真奈さん・沙央さん・綾菜さんとともにある場所に向かった。電車で向かった先は都内一等地にある高級タワーマンション。優さん曰く、今日はここでちょっとしたパーティーがあるというのだ。優さんがインターホンに向かって「明けましておめでとうございまーす!」と挨拶をする。どこかで聞いたことのある声だ。そしてエレベーターで60階にある会場に入った。最上階だ。富士山も東京湾も見える。それにかなり広い。四方八方全部窓に囲まれている。真奈さんに尋ねてみたら、1フロア丸ごと全部だというからさらに驚いた。しかもマンション内に映画館やカラオケボックス、温水プールもあるらしい。
しかし、僕はパーティーが行われるというダイニングに着いた途端驚愕した。の他に、
5人とも声優業界ではもうかなりの位置にいる人気声優だ。僕自身、5人のことはとてもよく知っている。もうみんな僕から見れば年上だが、この中で一番年下の美優さんでさえ僕とは7つ離れている。みんな好きな声優だというのは言うまでもない。そして、優さんは頭が上がらないようだし、さーやんに至っては神様を見るような目の色だった。優さんはもう業界慣れしているのか、彩さんたちを含めた8人とは普通の先輩後輩、もしくは親友のように話し合っているが、さーやんはまだ慣れてないのかかなり緊張している。僕はさーやんに、「初対面なの?」と小声で話す。するとさーやんは、「そんなんじゃないよ!何度も仕事したことある人たちだけど、みんな尊敬しているし、目標の先輩だから・・・」と言った。
そして夕方、料理が完成し、パーティーが始まる。料理の中身はすき焼きと寿司。そして大量のワインや日本酒もある。パーティーが始まると、英里香さんたち9人は早速ビールを注いでいた。そして、ビールを一杯飲んだ美優さんに「俊彦くんと沙弥香ちゃんも飲んでみる?」と言われた。それに対し、僕は「高校生に何を飲ますつもりですか!」と言い返したけど。
パーティー開始から4時間が経った。時計を見ると夜の9時を過ぎていた。部屋にはカラオケ台があったため、最初はみんな食べたり飲んだりしながら歌っていた。しかし、今はみんなすっかり酔い潰れて、歌う気もないようだ。素面なのは未成年の俺とさーやんだけ。そのため、カラオケは僕とさーやんが交互に歌っていた。2人の喉はもう悲鳴を上げている。その間、瑠衣さんは「暑い」と言い出し真冬にも関わらず下着姿になり、美優さんには「俊彦くん、私を抱いて~」とキスを迫られた。結局、2人で9人をどうするかと考えた結果、酔いが覚めるまでここにいることにした。
1時間後、8人はやっと酔いから覚めたようだ。瑠衣さんは「寒っ!・・・って私、なんで下着姿になってんの・・・」と言い、床に置いてあった衣服を着た。優さんは「また飲み過ぎちゃった・・・」と言っていた。そして俺とさーやんに「なんかごめんね・・・」と言っていた。そして僕は9人に、「みんな飲みすぎなんですよ。とりあえずウーロン茶を注いだので飲んでください」と言った。
そして夜11時前、それぞれが帰路につこうとした頃、優さんに勧められ、英里香さん・美鈴さん・愛奈さん・瑠衣さん・美優さんとLINEを交換した。俺は憧れの声優さんの連絡先を知ることができて、内心興奮したのは言うまでもない。
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