プロローグ

母さんが亡くなったのは15年前、俺が1歳の時だった。当時の記憶はもちろんないが、父さん曰く、母さんは元々病弱だったらしい。そして母さんは俺を産んで間もなく、がんであることがわかった。そしてがんは次第に悪化し、闘病生活を1年続けた結果・・・母さんは天国に旅立った。




母さんが亡くなってからは、婆ちゃんや叔母さんが母親代わりになっていた。物心がついたときは、叔母さんが母親だと思っていたくらいだった。何分、母さんが亡くなってからはずっと、祖父母と叔母さんと同じ家に住んでたくらいだからね。


叔母さんの一人娘で1歳年上のいとこである、亜梨紗ありさ姉ちゃんとも仲は悪くなかった。むしろ仲がよすぎて困るくらいだった。昔からお互い一緒に風呂に入っていたし、中学生になっても、裸を見られても気にしないくらいのものだったかな・・・


まぁ、そんな感じで俺は祖父母と叔母さんといとこが住む家で15年間を過ごしてきた。




そう、俺が高校2年の春、父さんが突如再婚するまでは・・・

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