遺書を書くには最高の日

郁子匠

遺 書



    遺  書


                本村 海


 この遺書が読まれているということは、私はもうこの世にいないのでしょう。


 まるで映画のような書き出しですね。書いてみてわかったことですが、本当にこう書くしかないんです。


 さて、私はここに、私の死後について、言葉を遺そうと思います。


 まずは生前、お世話になった皆様に心より御礼申し上げます。そして先立つ不孝をお詫び申し上げます。死んでしまい、本当にごめんなさい。


 私は若くして命を終えてしまったわけですが、後悔はない、と言ったら嘘ですが、あたしなりに懸命に駆け抜けた人生でした。


 そして、私の死を――――





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