料理

勝利だギューちゃん

第1話

「監督っていうのは、コック長みたいなものだ。

いかに、選手といった素材や、コーチといった調味料がよくても、

それを調理する監督の腕が最低なら、美味しい料理は出来ないんだぜ」


誰かが言っていた、

その誰かは、覚えてないが・・・


言いたい事はわかるが、腑に落ちない。


「ねえ、出来た?」

「何を?」

「新作の漫画」

「いやまだ・・・」


漫画を描くといのは、ひとつの料理を作るような物。

キャラクターがよくても、ストーリーがよくても、

作家の腕が悪ければ、美味しい料理は出来ない。


しかし、まずは自分が美味しいと思わないと、

周囲は、美味しいと思ってくれない。


不味い料理は、すぐに消えるのだ。


自分で食べる分や、親しい関係にふるまうのなら、

楽しんで作ればいいが、お店に出すとなると、そうはいかない。


厳しい修行が必要となる。


今h、俺は新しいキャラクターを用意した。

これが大変だ。

万人受けするように、デザインしなくてはいけない。


傍で見ている程楽ではない。


ストーリーもそうだ。

そのキャラクターたちに、あった話でないと、エゴを主張しあう。


そこで、それらを調理するのが、作家になる。


「でも、だからって、動かないと進まないよ」

「その通りだ。だが・・・」

「だが、何?」


最初のうちで、第3者の意見も訊くのも大事だ。


「この子を見てどう思う?」

俺はひとりのキャラクターを、彼女に見せた。


「私が思うに、甘えん坊だけど、芯はしっかりしている・・・」

真面目に答えてくれた。


「ありがと。話を進めてみるよ」

「がんばって!」


彼女の激励に、僕はみなぎってきた。


さてと、久しぶりに調理しますか・・・

漫画と言う、料理を・・・

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料理 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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