最終話
「じゃあ、俺と父さんと母さんは血が繋がってない赤の他人なのか」
「そうじゃない。みんな家族だ。赤の他人なんかじゃない」
否定する父さんに僕は苛立ちを覚えた。
「血が繋がってない家族なんて家族じゃないよ」
「
変なことを聞かれて少し戸惑ったがすぐに答えた。
「それはそうだろ。結婚っていうのは家族になるってことだろ」
言ってから気が付いた。別に父さんと母さんも血が繋がっているわけではない。
「そうだ。父さんは母さんが好きだったから結婚した。家族になったんだ。翔、お前は父さんと母さんの家族にはなりたくないか。血が繋がってないからって赤の他人でいたいか」
そんな風に言われたら答えは一つしかない。
「俺も父さんと母さんと家族でいたいよっ」
僕の目から涙がこぼれた。父さんの目からも涙が一滴だけ流れていた。
血が繋がってないけど僕はこの二人を父さん、母さんとこれからもずっと呼び続ける。二人のことが好きだから。
僕はお墓の前に立っていた。僕の実の両親の墓だ。手を合わせて目を閉じる。
天国にいるお父さん、お母さん。僕はもう一つの家族と幸せに暮らしています。ほかの家族とは少し違っても幸せです。僕も今度、新しい家族ができます。どうか見守っていてください。
ありがとう。
家族の絆 愛坂 蒼 @souta3217
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