第477話―岡谷県とは関係ない妖怪―
日差しからの暑さに服は汗ですっかり粘りついている。
衣類は汗でまとわりつく不快さ、
滝のように流れる
久しぶりの外出で紫外線で白い手の甲を焼かれるような痛覚が走る。
それは誰であっても天からの太陽の熱には
「えへへ周りはカップル多いですねぇ。こんなデートスポット定番な場所に来ちゃうなんて…お兄ちゃん!
今日は距離を詰めてゼロ距離カップルをめざしましょう。
さあ
「あ、ああ。始めよう…その最後のセリフ既視感がきしきしと感じるのだけど大丈夫かな?」
マスクを着用もあって外の暑さは一段と蒸し蒸しする。であって暑さ苦行3つの法則という自分の中で不平不満のある夏の時期が苦手な3つの理由を
変に学術的な表現をした。
暑さで参ってしまうとそんなことあるはず。俺だけじゃないと自分に言い聞かせて納得したところで周囲を見渡してみた。
冬雅の言うとおりカップルが多い。
休日には人が多いと聞いたことがあるがコロナから一年、ワクチン接種や正常性バイアスで安心または無謀に外に出て想い出を築こうとして楽しむ人はいる。都内にある葛西臨海公園は
沖合には隣接するエリア
「もう心配し過ぎだよ。
大丈夫、だいじょうぶです。これからラブコメタイム入りますし許してくれますよ。
わたしとお兄ちゃん世界を楽しんでイチャイチャして忘れない日にします」
華奢な拳を作って
では本日は入道雲が垂れ込めているが雨が降る気配がない晴れた昼前。
今日は、真奈たちと俺が不参加の秘密裏に行われた会議によって今日は冬雅と二人だけでデートをしていた。
ところで俺の懸念は簡単に片付けられたが、今のご時世で作品を著しく貶めるような描写などすれば社会化したネットの人達に抹殺されるかもしれない。芸術作品など模倣をして意図的に皮肉的とか揶揄のような扱うのをパロディと言うがそのリスペクト無き先は破滅される。
気をつけなければならない。
「んっ?どうしたのかなお兄ちゃん。
えへへ、もしかしてデートですか。
わたしとデートして舞い上がっているとかですか?」
「それは…ノーだよ」
直視が出来ずに俺は目を逸らした。
「……あっ、うん。えーと高校卒業してから正式的なデートって少ないですよねぇ。
こうして二人きり堂々と関係を隠すようなことしなくていいですし。
き、緊張しますよねぇ。舞い上がっていますよ…わたしも」
どうして俺が思っていることを破ってそんな大胆なことを言えるのか。
夢か現か幻か?まくし立てていた冬雅は頬を赤らめて照れている。
されどあの冬雅が正統派の乙女らしく振る舞おうことなどしない。
「あそこにあるベンチに座りませんか?そして見つめ合いゲームしましょう。ルールも勝敗は簡単です。
見つめ合って照れて目を逸らした方が負けです。誰かに見れている中でやりましょう!!」
恋路には勢いで果敢に攻めて、どれだけ心を玉砕しようが復活して舞い降りて愚直にも挑み続けていく。
それが乙女とは画した峰島冬雅の本骨頂なのだが辞め時が見えずそもそも壊れた暴走列車のように猛進する。
「それだけは絶対にしないから」
これツッコミ前提で言っていないのかなと思う。このやり取りが一種のルーチンとなっており、それを受け入れている俺も暗黙のルールに条約した流れで進んでいる現状に、つい嘆息を
こぼすのだった。
さて俺と冬雅が並んで歩いているのは自然が満喫をして楽しめる散策路。
「そう恥ずかしからずに目と目で語りましょうよ。ねぇお兄ちゃん」
「ノーマル会話を求む」
「わたし達の間でノーマル会話です。
遠くない日に……わ、わわ、わたし達の子供と引き連れて家族旅行するのですから!」
「それは違う……はいっ……はい!?
いいかな冬雅さん話がかなり飛躍していない。それに今日は過剰にも
程があるアプローチじゃないか」
いつにも増してレベルを超えて今日の冬雅はセーフティラインを超えた
アプローチを仕掛けておりレガシーなフォーマットのようなアタックを仕掛けてクラッシュする……横文字を使い過ぎて頭痛してきた。
「その黒髪と声は…そ、そこにいるのは冬雅じゃないのか?」
まるで声優のようなイケメンボイス略してイケボ。この略称は本当にありますよ。ともあれ冬雅の知り合いが?
「「えっ?」」
振り返ってみると美声のイメージ壊さないオシャレな格好をした眉目秀麗さんだった。
けど、どこか出会ったことがあるような錯覚がある。
「あれ?制服じゃないから気付かないのかな、もしかして?ほら俺だよ。
その人は下の名前に有名な妖怪の名を持つ青年であった。
まぁ、だから何という話になるのですがね。
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