第469話―マナ娘プリティーダービー―
今日は、久し振りに外食だ。
泊まりに来たと真奈がいつものセリフを告げられた決定事項には、拒絶反応をしてみたものの根本的な拒絶することが出来ずになった経緯。
夕食をなにをしようかと話になり、たまには食べ放題に行きたいと要求があった真奈の言葉に従って向かうことにした。
コロナ感染を拡大しないよう対策のために換気が力を入れてある。もともと換気にはこだわりがあったからこそ宣言されつつある中で唯一と売上が著しく落ちていないだけはある。
「フフッ、お兄さんと目があってしまうとなんだか恥ずかしいですねぇ」
「そう思うのでしたら口にしなくてもいいのでは……話題を変えるけど、大学生活はどうだい?」
向かいの席には真奈が座っており、ときどき目と目が合う……というより談笑をすれば目を見るのは当然ではないか!?もしかして鼓動を早めさせる狙いがあったのか。
そうではないかと疑ったけどそれは無いか。天然で嘘ということを苦手な真奈に限ってそんなことない。
どんな意図があるのか分からないまま俺は堂々と話題を変えた。
現在は東京大学生の学部は法学部という一流のうちの一流である
もしそんな肩書きがあった状態で今のような関係を気づかずに出逢っていたら住む世界が違うとか偏屈と感じて、そっと距離を取ろうとしただろう。
「知らない世界が一つ一つと広がっていくのが学んでそれを実感しているのが合格して良かったなぁと。
もちろん尊敬する人や切磋琢磨する友人も出来て楽しく過ごしているよ」
「そうか。切磋琢磨する人がいるのは貴重だからね。真奈が楽しくやっているようで良かったよ」
尊敬する人か……。
ジュー、ジューとまだ口にしていないのに焼かれる音に食べた後を想像が勝手に膨らませていく。
まぁ早く食べたいと本能的に訴えている。焦げる前に、取らないと美味しくなくなる。
「あっ!お兄さんまだ早いよ」
静止の声で伸ばしていた箸を止めて置いた場所に戻す。
「おっと、そうか。助かったよ真奈やきにく大臣」
「フフッ、お兄さんなんですか?その変なネーミングセンス。
お酒を飲んでいないのに」
片手で口元を抑えて控えめに笑う真奈。こうするとサファイアお嬢様よりもお嬢様をしているように思える。
こうして真奈と二人きりで俺はデートをしている。
実際に甘えてもいいよと言われても
アンセルフィッシュの精神を恋であっても発揮するのは後悔をしないかと少し不安を覚えている。
そうした不安よりも俺は冬雅を選ぶつもりなのだ。だから別れようとか応えられないと絶対に言わないといけない。それとなく避けられたこともあるが、この場で言うのが良いんじゃないのか。
(いや、デート中でそんなこと言ったら悲しいませてしまう。
言うなら別の日にしたほうがいいか)
言う時期はデートではない日に告げた方がいいはず。
「どうしたのお兄さん……
悲痛そうになっても絞って声を発されたような痛々しさを感じる声音に顔を上げる。そんな真奈の顔は哀愁を帯びるようにしていた。
「真奈……分かった。素直に応える」
隠し通そうと決めていたが真奈の悲しそうな顔をさせるよりもいいかと判断して俺は話をする決意をした。
と決意をしたが内容を伝えるのは。
「フフッ、そんなことだったんだ。
尊敬する人がお兄さん以外にもいることに
フフフッ、かわいいなぁ」
「ぐっ、だから言いたくなかった」
俺が説明をしたのは大学生活で返ってきた真奈の尊敬する人が出来たことに対してだった。真奈の好意を応えれないというデリケートな話は確実に話せるようなものじゃない。
それに下手に嘘をついても真奈は看破してしまう。だったら実際に事実を伝えることにした。
「前のワタシだったら、お兄さんを尊敬していました。
でも今は……」
「今は?」
何を言うのか怖いのだが。聞いて大丈夫なセリフだろうかと俺は戦々恐々となって息を飲み込む。
「ずっと居てほしい人だから。
永遠にワタシを好きでいてくれてワタシの好きを受け入れてくれる人だと
思うの」
「……そうか。ありがとう真奈」
予期もしなかった告白だった。
穏やかそうに夢をまたは妄想にも等しいであろう現実には叶えるのが困難な内容を語る真奈。
それが実現することが遠いのを感じていたか感情の吐露したからか真奈の目頭には水滴が流れていき、テーブルの上を落ちる。
気づいたら俺にも、わずかながら目頭が熱いことに気づいて指で触れると……涙だったことに遅れて認識するのだった。
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