第417話―花恋ライフライン―
「また朝ごはんに…
学校の友達や東洋お兄ちゃんの周囲の友達となった友達の昨夜のメッセージを一通りチェックしていたら台所から皿を両手で持ちながら小言を食うことになった。
「だって、友達が増えたんだもん。既読とかしておかないと怒る人がいるんだから」
「そんな友達は要らないでしょう」
くだらないとバッサリ切り捨てるようなセリフにイラッとしたけどIT企業の社長である、お母さんに口で負かすのは至難の業だ。
せめての抵抗と不快な表現を作ってスマホをカバンにしまう。
そういえば中学生だった私はテーブルの上に置いたら集中の妨げになると一方的に怒られたけ。
なんでもスマホは食事の机に置くだけで話が向上しないとか?もう意味不明だよ。そんな訳ないじゃん。
「はーい。でも友達がたくさんいれば人生が豊かになると思うよ」
まず皿を私の手前に並べる。頻繁に出される献立である目玉焼き、ウインナー、手で千切り水洗いしただけのレタスが並べた皿。
もう一皿は私の向かいの席に置くと椅子を引いて腰を下ろす。
「そうかしら?友達が不要に増加をすれば
「無駄とか無いと思うんだけど。今が最高の思い出とかあるし…あとは眩しい青春なんだよ私は!」
しかし私の中では真剣に言ったつもりだったのに頭が痛くなったみたいに右手で抱える理解不能とポーズをする。これにもイラッとする。
「花恋…それじゃあ学校の成績はどうなの?私が居ないからって勉強をサボってスマホ使用制限とか破っていない」
「学校の成績、その質問があると思ってテスト結果を見て…驚くはずだよ」
いつ、その話が切り出すか待っていた私はスクールカバンからファイルを取り出すと収納したテスト用紙を前に突き出すように見せる。
「ハァー、開き治ってひどい点数結果なんて無しにしてよ。
……し、信じられないわ!?」
フフッどうやら赤点ロイヤルフラッシュを叩き出した私と比較には出来ないほど良くなっていたことに、きょうがくしている。
「すごいでしょう!余裕しょう」
「ええ、確実に良くなってはいるわね。けど平均的じゃない花恋」
「………え、ええぇぇーー!?
53点だよ。いい方だと思うんだけど」
「そうなのだけど…褒めるべきか叱るべき判断しづらいわね」
「ま、まじ…ですか。いい点数で喜んだのに叱るべき範囲なんだ」
「ち、違うわよ。ほら花恋よくやったわ。えらい、えらい!良い子だわ」
時はすでに遅し。今さら褒められても嬉しくなんてない!私なり頑張ったのり微妙な顔をされるし。
私なりに勉強を頑張ってきたのに。
お母さんに気を遣わされてしまった。あのクールな性格からジャンプして喜ぶようなキャラじゃなくても心の底から褒めてくれると思った。
「ハァー」
リビングを出て向かったのは洗面所。鏡に偽りもなく映り出すのは前よりも美少女な自分。
キラキラした黒髪セミロング、大きな目と真っ白な肌。ニキビは少しだけ目立つが洗顔クリームと高い薬のおかけで本当に目立たない。
(可愛いんだけど…)
学園一を取れるぐらいには自信はあるのだけど東洋お兄ちゃんの
ストライクゾーンに入っていない。
冬雅さんが好きと告白があったし…側で聞いた私は胸が刺された痛みがあって、かなり複雑だった。
好みになれば…東洋お兄ちゃんは冬雅さんのような小さな胸の人が好きなのかもしれない。しかし私は大きい部類に入るけど真奈ほど大きくない。それ以外があるとすれば性格かな?やっぱり。
(悩むなんて私らしくない。本当に聞けばいいんだし、そうだ聞けばいいんだ!ついでに真奈さんから勉強を教えてもらおう)
春休みを有効活用することで、東洋お兄ちゃんの家に
お母さんが言っていたが友達を切り捨てる理論を勢いで否定はしているが私が通う友達には気が置けないほど仲のいい友達はほとんどいない。いままで仲が良かった友人とは自然消滅している。けど
なんの感慨深くはない。
「おはよう東洋お兄ちゃん」
「ああ、おはよう花恋」
うぅー!なんて良い響きなのでしょう。名字の
同級生や教諭には下の名前を呼ばれても何とも思わなかったのに…好きな人に呼ばれるのは別格という効果!
「その声…やっぱり花恋。えへへ、よく来てくれたねぇ。さあ、あがって。その前に、おはよう」
お兄ちゃんの横から顔を出したのは冬雅さん。今月で大学生となったばかりとは思えないほど変化なし。
「おはよう冬雅さん。あまり東洋お兄ちゃんに迷惑かけていませんか。あれ?真奈さんは」
「真奈なら
「ふーん」
お母さんを驚かせようと勉強が得意な真奈さんに勉強を教えてもらおうと思ったけど忙しいなら後で訊いてみるとしよう。
私は家に上がると手を入念に洗ってから二人の後に居室に入る。
冬雅さんが絶賛するリゼロを3人で鑑賞することになった。これは確かに面白い。内容が難しい箇所もあるけど原作を読んでいる二人がいるから詳しい解説入りもあり楽しめた。
玄関の出入り口の方から開く音に、真奈さんかなと振り返る。
「あれカナちゃん来ていたんだ」
まるで、お姫様のような笑みで手を振って歓迎した。その後ろには根暗そうな女の子。確か…不死川紬だった気がする。
「待っていたよ真奈さん。早速ですけど勉強を手伝ってもらえませんか?」
「うん。いいよ」
「あっ、出来ればボクも見てくれないかなマナマナ?」
何故か便乗するかのようなタイミングで紬が頭を掻いてそう言った。
もちろん無茶なお願いに真奈さんさ嫌な顔はしなかった。
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