第203話―彼女達は夢を見る、俺は夢をつかめず3―
日曜日、冬雅と比翼と一緒にヒーリングっどプリキュアをリアタイ(放送時間)でソファーで朝食のカレーパンや粒あん色んな種類を
テーブル中央に置き手前には紅茶を飲みやすい位置で視聴した。
冬雅と比翼は、分からないだろうが最近のプリキュアは面白くなってきているのだ。二人よりもプリキュアシリーズを観ている俺は
今シリーズは3人からなのか等、
今までにない革命的な部分を無意識に探して見つける楽しみ方がある。
なかなか共感してくれる人はいなかったが。
「おにいちゃん3人の中で一番好きなキャラを教えて、教えて」
変身シーンに入り左側に座る比翼は好奇心があふれる笑みを見上げて訊ねてきた。そろそろ、この話題を振ってくるだろうと思った。
逡巡することなく俺は用意した回答をするとしよう。
「主人公のキュアグレースかな」
特に声優さんは好きな
「お兄ちゃん好きな女の子は、
健気で前向きで努力家。けど口調や髪型も・・・お兄ちゃん詳しく!」
メモとペンを取り出して向きをテレビから俺に前傾姿勢で好奇心
を剥き出しになる。いや、向くべきはテレビではないでしょうか冬雅。
「また、例の発症しましたねぇ
おにいちゃん。そろそろ変身シーンが終わるよ冬雅おねえちゃん!シーだよ」
「あっ、ごめんねぇ比翼・・・
わぁー!?お、お兄ちゃん近いです」
「えっ、私なの!近づいたのは冬雅だと思うけど」
距離が近いことに理解した冬雅は
嬉しさ成分が8割と羞恥心9割。
うーん、十割を超えてしまったけど別にいいか些細なこと。
ヒーリングっどプリキュアが今日も無事に看病が上手くいき終わる。
「今日もいい話だった。整ってリラックスしていくのがプリキュアの
それじゃあ比翼、次は俺が訊ねる番だけど今シリーズ好きなプリキュアは?」
「うーん・・・青いプリキュアでしょうか。真奈おねえちゃんみたいでカッコよくて好きです」
真奈は髪型や運動が大の苦手で似ていない。けど似ている点があるとすれば頼らるところだろうか。
「えへへ、比翼が好きなのは
キュアフォンテーヌですね。
ちなみにわたしは、キュアスパークルですよ」
比翼的な言葉で説明するなら、黄色のプリキュアでファッションが好きなキャラ。まさか、3人ともにかぶらずになるとは。
俺はマグカップ傾いて軽く啜り味は
「おぉー、同じにならなかった!それじゃあ次に質問だけど冬雅おねえちゃん最初に見たシリーズを教えてくだ
なんだろう。比翼の言葉に動物のサイが浮かんでくるのはどうしてか。
「うーん、わたしが最初に見たのは・・・うろ覚えだけど、
「プリキュア5!?冬雅が最初に観たのがプリキュア5なら何年前か?」
放送していた時は見ていなかったが、再放送で観て面白い!と思ったシリーズ。前は二人が王道だったのが初めて5人のシリーズに
した作品。今は、そんなに珍しくないが当時は珍しく二人はプリキュアと同じく次のシリーズも加えての続編もある。ちなみに前編と続編があるのは二人はプリキュアとプリキュア5の2作品のみ。
「は、はい。わたしが小さい時でしたからハマりました・・・
お、お兄ちゃんもやっぱり見ていたの?」
「ああ、観ていたよ。最高な作品だったよ・・・なんだか
好きな作品なのだが何年前かとなると急に忘れてしまう。
「14年前だよ、お兄ちゃん」
「そ、そんなに前になるのか!?」
「あっははは、おにいちゃんオッサンみたいな反応だよ。あれ、もうオッサンなのかな?」
「ち、違うよ比翼。お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ!」
「助けてくれるのは素直に嬉しいけど。それだと混乱させるよ冬雅」
比翼の年齢からすると、20代後半なんて中年のような扱いだろう。
俺も比翼と同い年のときは、20代後半は中年みたいだと思っていた。
「おにいちゃんが、どんなになっても大好きだし、ずっと隣にいるからね。冬雅おねえちゃんに見捨てられても」
「わたしが、お兄ちゃんを見捨てるなんて
そこを強く否定しなくてもいいのだけど冬雅。比翼の隠そうとしない好意を向けられ困るし、冬雅の
天然化が進んだ眼差しに戸惑う。
うーん、紅茶の味が分からない。
ここで関係ない話でもしよう。
「確か昔、近所でプリキュア5のコスプレした小さな女の子がいたんだけどレベルが高くってびっくりしたなぁ」
「おにいちゃんその流れだとロリコン扱いしてくれという
色んな意味で危ない発言だよ」
比翼の冷めきったような眼差しに
俺は冷や汗を流れるの感じ硬直する。
そんな発言をすればロリコンだと思うよね。
「お、お兄ちゃん。そのコスプレした女の子って、私だと思います」
「「えっ?」」
冬雅のうさぎのような頬を赤く染まる。
「小さい頃、憧れてよく着ていたの。そ、それで隣に住むお兄ちゃんに見られたんだね」
「そ、そうなのか?近所の公園で見かけたから、スゴイ子だな思ったのが冬雅なのか・・・」
「お兄ちゃん声に出ているよ!
振り返ると、スゴイ子を否定
しにくいけど」
「けど、冬雅おねえちゃんは今もスゴイ子だよ」
比翼に同意します!今の冬雅の方が幼い頃よりもスゴイ子なのは間違いないだろう。当時に俺は幼い冬雅を見ていたのか。
「むぅー、掘り出さないでほしいよ。・・・ねぇ、もし。もしだよ。お兄ちゃんがプリキュア興味で話を掛けられたら、もっと早い段階でお兄ちゃんと一緒に居て映画を手を繋いで行っていたのかな?」
「そうすれば今ごろの俺は
普通に幼い女の子に声を掛けたらそうになる。
「おにいちゃんの年齢は14歳じゃないの。それで捕まらないから
不運だったよね」
な、なるほど数学が苦手なところが今になって現れるか!文系スキルを極振りしたのが大きなミスになったか。
「そ、それを言うなら、わたしも!そうすれば、お兄ちゃんとは小さい頃に面倒を見てくれた親切なお兄ちゃんって白昼堂々とデートできるのに!!」
すごく惜しいと冬雅は不運だと嘆いているが、そうなったら俺は
きっと冬雅を好きにはなっていないと思う。もし、仮に好きになっても付き合おうなど
好きになるんじゃあ――ち、違う!
まだ、好きなのか確認中なんだ。
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