第147話JKさんは怖かった
翌朝、俺は冬雅達と一緒にオシャレな喫茶店のテレスに座っていた。昨夜に目撃された羽柴さんと呼ばれる人に詳しい話を聞かせてくださいことで。テープルに挟む形で向かいに座るのは羽柴さん。右には真奈。俺の右に冬雅と左に比翼と傍からみればハーレムか淫行の限り尽くすような奴に見えているのだろう。と言うよりも軽蔑な眼差しを容赦なく向けている。
残念だけど全然、違うよ。
「正直に答えてください。真奈様とはどんな関係なんですか?」
羽柴さんは膝をテープルにつけての指を組む社長的なポーズ。
「え、えーと真奈とは――」
「ほう。呼び捨てですか、なるほど・・・あなたの血は何色ですかね?」
(じょ、冗談だよね。それ!?)
まったく笑っていないし、鬼の形相でいる美少女って想像よりも怖いんだなぁと学んだ。
「は、羽柴さんが疑うような仲ではありません。真奈とはゲームを楽しむ友人関係です」
「そ、そうなのよ香音。お兄さんとは友達だから・・・・・それ以上にも以下でもないのよ・・・・・」
分かっていたけど真奈はまだ、恋慕があるからこそ強く言い切れず否定をしない。
「むぅ、真奈様のお言葉なら疑わず信じたいところですけど、手を繋いだのを見ました。あれは?」
「あ、あれは・・・ゆ、友情の証」
言い淀む真奈は俺に助け舟を求めるような目で見てくる。何でもできるイメージがある真奈だけど、弱点がけっこう多いんだよね。
運動が苦手で、ラブコメ主人公みたいな展開にさせる異能みたいな運命を持つというのか、それが真奈。あとギアスとかなどあれば
ほとんどルルーシュだね。
「友情の証?とはなんでしょうか真奈様」
「えーと、ゲーセンで遊んでいたら意気投合してねぇ。それでお兄さんとはずっと宿敵ことで、
わたしとお兄さんは大親友なのよ」
真奈よ無理がありませんかね。
羽柴さんは呆れると思いきや俺に対して数段を上がった睨み。ヘビに睨まれたカエルような気持ちだ。なんとか弁明しなければ。
「あ、あの真奈とは本当にゲーム友達だけなんです」
「ふーん」
半信半疑もとい半分も信じていない羽柴さん。早くも万事休す・・・
「でも、羽柴さん。お兄ちゃんはすごく優しくって、わたしや真奈を大事にしてくれる人なんですよ」
「具体的的には冬雅」
「そうですね。わたしの無茶を言ってもなんとかして叶えようとしたり。わたし達のことをまず考えたり・・・えへへ。世間体よりも
わたし達をよく見たりしてねぇ」
弾けんばかりの笑顔で冬雅は俺の良い点を述べていく。
「ま、まって!もうその辺でいいから、ねぇ冬雅」
「何を言っているんですか!」
バンとテーブルを両手で叩き立ち上がった冬雅。ちなみに叩いた音はバンというよりタンと鳴った。周りの人が音に反応して振り向き様々な表情をする。
「おにいちゃんのいいところなら冬雅おねえちゃんよりも言えます!例えばです。誘惑しても手を出さないですし、軽い健康オタクでもあるんです。お酒やタバコをしないんですよ。ふーん!」
おそらくこの中で最年少の比翼は
姉と慕う冬雅みたいにタンとテーブルを叩いて勢いよく立ち上がると羽柴さんを見下ろす。
「わ、分かったわ。二人の兄は立派なんですね」
二人の興奮を抑えれないと俺の事を嬉々として語る・・・結果、羽柴さんはたじたじとなる。そりゃあそうなるよ。二人はその後も熱弁する。真奈はうん、うん。と楽しそうに頷き羽柴さんは頬をつらせている。外のテラスで目立った俺達は周囲がどう思ったか離れていく。たぶん部活とか思ったのだろう。
「お兄ちゃんが文化祭の時は
一緒にデートして楽しかったなぁ。えへへ」
頬を両手に触れ悶絶しそうな笑みで向ける。そのせいで語るよりも俺に思い出を言っているように錯覚させる。冬雅、少し頭を冷やしたらどうでしょうか。
「くぅ!冬雅おねえちゃんは余裕しゃくしゃくです。けど、おにいちゃんとは朝昼夜といるのはわたしですので、詳しいです。
実はおにいちゃんは甘い物が好きなんですよ」
「「知ってるよ」」
真奈が少し遅れて微妙にハモって返事する。俺は羽柴さんという人に
「コホン。それじゃあ甘い物が好きな痛い人は真奈様達には何もしていないんですね?」
「はい、そうです」
「ちがうよ。おにいちゃんには
勉強とか料理を作ってくれて・・・美味しかったよ」
「比翼、少し静かにしようねぇ」
冬雅は比翼を微笑で注意すると「はーい!」と元気よく挙手してしばらく傍観するように口を閉じる。和む光景に羽柴さんは比翼に微笑む。まぁ比翼は
「えーと、どこまで話をしましたけ?」
「香音、ワタシ達が毒牙を掛けられていないと答えたところだよ」
真奈もう少しオブラートな言い方があったのでは。
「ああ、ありがとうございます真奈様。それでは、ここから本当に質問させてもらいます。
真奈様を
答えは一つしかないなぁ。俺はココナッツタピオカをストローで飲む。ふむ、変わった味で面白い。
「もちろん付き合っていません。恋が冷めるまで、ゆっくりと距離感を気をつけて接するつもりです」
「ふーん、ずいぶんと冷静なんですね」
「普通ならJKと付き合えて喜ぶ人はいるでしょうが、精神的に未熟で恋に慣れていない彼女達を気づくまで話をしていれば必然と気づくと思います」
やはり俺は冬雅が好きでも付き合うか話となると恋人は出来ないようにと思っている。
「で、てすよね。お、お兄ちゃんは・・・また、そう言って子供として見て・・・・・」
右隣の冬雅は、身体を震えて涙目を溜まっていた。なんとか言葉を紡ごうとする最後に発せなくなる。もしかして・・・真奈や比翼の順でさり気なく目でチラッと見ると悲痛そうにしていた。
「そうカッコよく言ったけど、
冬雅達をかわいいって思っている」
失言をどうにかしようと言ったが、悲しいかな俺はコミュ障であった。
「お兄ちゃん・・・大丈夫ですよ。わたし平気ですから」
「・・・こほん。それじゃあ次の質問ですが、今日はどう過ごすのですか。ただ、ゲーセンとか行くとは思えませんし」
静かな怒りこもった問いにどう答えようか・・・。
「えーと、それは・・・そう!ショピングで買い物とか付き合い映画を観たりします」
「明らかに熟考した時間と言動を窺えたけど、まぁいいでしょう。
兄と呼ばれた人、私も一日だけ同行させてもらいます」
「・・・・・へっ?」
その後どうにか怪しい関係ではないと明かすため友達だと振る舞う俺と冬雅、真奈、比翼だった。
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