第124話行ってくると冬雅に言う

「ドーブラエウートラお兄ちゃん」


次の日。ベッドからゆっくり身体上をゆっくり上げると冬雅が挨拶してきた。


「ドーブラエ・・・なんとや?」


ベランダから隣のベランダに立つ冬雅はにこやかに笑う。


「えへへ、ドーブラエウートラですよ。これはロシア語のおはようなんですよ」


「へぇー、そうなのか」


地面に床を足に体重を掛けて立ち上がる。毛布など恩恵から出ると寒さが容赦なく襲ってくる。まだ寒さに慣れるまで時間が必要だな。


「はい。ロシアには行ったことないですけど・・・そのいつかは

お兄ちゃんと行けたら嬉しいです」


「そうだね・・・いつか」


その日はたぶん無いだろう。

愛を冷めるか事情で会えなくなることもある。真奈が決断した身を引くことに。理由は憶測は、いくつかあるが本人しか知らない決断の想いや葛藤が。


「冬雅。今日は真奈に会いに行こうと考えているんだ」


「そうですか。でしたら一緒に――」


「いや、一人で行くよ」


「・・・・・えっ?」


「驚かせてすまない。嫌いとか理由じゃなくて――」


「大丈夫ですよ。お兄ちゃん

き、昨日のデートで大事にして愛情を感じましたから嫌いなんて考えませんよ」


屈託のない笑顔。不安が入り混じっていない純然で信頼された笑み。


「ありがとう。・・・それで真奈を会えるか分からないし一人じゃないと伝えれない想いを行動で

伝えようと思うんだ」


「・・・うん。お兄ちゃん頑張って」


刹那の儚い顔。すぐに明るい笑みに戻る冬雅はたぶん勘違いしている。


「だから帰りは遅くなると思うしすぐに帰ると思う。冬雅は今日はどうする?私の家でくつろぐのもいいよ」


「それでは、お兄ちゃんの部屋で勉強でもしています」


「了解。それじゃあいつものように来てくれ」


「はい」


俺は、部屋を出ようとドアノブを掴む。少し迷っていた言葉の訂正をするか逡巡しゅんじゅんしていたが、やはり伝えないといけない。


「冬雅。私が真奈に告白じゃなくライバルとして伝えるんだ」


「えっ?」


ベランダから部屋に入り窓を閉めようとした冬雅は首を傾げ、はて?としていた。


「あっ、プリキュアが始まるから急ぐので」


昨日の再放送は見た。今日こそはリアルタイムで観ないと。

・・・という思わせるように慌ててドアを閉める。


冬雅が分からないと反応したから

すぐに思いついた行動して廊下に出た。一度、ため息して俺は居間に入って今日も料理を作る。

冬雅が律儀にインターホンを押して少しの談笑と朝食。それから一緒にプリキュアを観る。


「面白いかったねお兄ちゃん」


「そうだね。こうして見終わってスマホとかじゃなく隣でこんな話ができるなんて」


「えへへ。急に言われるとドキドキしますねぇ。たぶん来年もわたし隣にいますよ」


見終わり軽い感想を語ったりなど。ほとんどがスゴイ発言した気がしないが細かいことは考えないことにする。


「そろそろ時間かな」


「真奈と待ち合わせ時間ですか?」


「違うかな。待ち伏せかな?」


「お兄ちゃんそれだとストーカー見たいですよ」


「フッ、私もそう思ったよ」


俺は苦笑して冬雅は微笑をする。

冬雅はストーカーと言っているが冗談で言っているのが解る。

俺がソファーから立ち上がると冬雅も続けて、よいしょ!と声を出して腰を上げる。


「それじゃあ準備するよ」


「うん」


一度、部屋に戻り着替えカバンを背負い階段から降りて玄関の近くに冬雅が笑顔を向ける。


「わたし夕食を作って待っていますね」


「忙しかったら作らなくても構わないよ冬雅」


「ううん。お兄ちゃんにおいしいって言ってほしい野望がわたしにはありますので」


腕を上下に振って応えると、元気あり余っている印象で冬雅らしく微笑ましくなってくる。こういうときにラノベ主人公は頭をなでるだろうけど幸いと言うべきか大人で女の子に接し方がよく分からい俺は勝手が今でも知らない。


「それなら俺は冬雅の野望を阻止するためになるべく早く帰らないと」


「そうなっても一緒に作れるので野望は阻止できませんよ」


俺は靴を履いて益体やくたいの無いと有るような話。

俺は振り返り出かける言葉を発する。


「それじゃあ行ってくる」


「うん。いってらっしゃい大好きなお兄ちゃん」


冬雅に見送られ俺は、昼前の外それも人が雑踏している日曜日に

真奈がいるだろう場所へ足を進める。

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