第100話アニメやドラマ語り

11月の第一日曜。

真奈と三好さんは九時に

俺の家へ遊びに来た。冬雅は

3時間前の陽が薄明の迎える

ちょっと前にやって来た。


もう冬雅と二人で、四人分の

お菓子やジュースをコンビニで

買い袋を一緒に持ち帰る。

次に掃除や録画したアニメを一緒に過ごす。

時々、冬雅が妹に思ったり

新婚生活ってこんなものなのか?

と気づいたら、そんなことばかり

考えてしまう。


俺は、冬雅を恋を勘違いだって

気づかせるために今まで

一緒にいた。

俺は、大人になってから恋は一時的な感情だと見て話を聞いた

何度も専門家でも恋は3年で冷めると雑誌などで見たことある。

もっと、早ければ3ヶ月。

特に最近の中学生は恋がまやかしと感じるのはかなり早い。

一週間だって、三好さんが警告していたし。

俺もそう信じていが、結果は

逆になった。冬雅は恋慕から込み上がる告白を続けていて

セリフから前よりも顕著に、

好きになっていると分かる。

遠慮が少し無くなり、普通なら

冷めるポイントなのに

冬雅は喜色満面な顔で喜ぶ。

俺は、冬雅の笑顔が最大の癒やしになっていて、いつかは冷める

冬雅の顔を見るのが

何故、怖く恐れているんだ!?


「お兄ちゃん・・・ 聞いてますかお兄ちゃんーーー!!」


「うわぁ!?・・・冬雅」


両手で肩を揺らされ、思考の海から意識が戻る感覚。

リビングテーブル向かいに不安そうにする冬雅の顔。

上半身を前傾した姿勢で顔が

かなり近いことに・・・。


「えへへへ、お兄ちゃん。

照れるなんて、かわいいです」


「違う・・・普通にこの距離が

慣れていないだけで、

戸惑っているだけなんだよ」


「わたしは・・・今すごく

ドキドキしていますよ。

見つめているようで」


(冬雅・・・・・だけど、

いつか冬雅は冷めるんだ。

絶対に・・・そうなるんだ)


必ずそのときは訪れる。

そのときに、俺は冷静を失っていたか。っと考えに至るようになる。

俺の右手を握る真奈の力が

弱くなっているの感じたのが

理由でもあるかもしれない。


「冬雅、そろそろアニメを

四人で鑑賞しないか?」


「そ、そうですねぇ。

お兄ちゃんと一緒に観れる!」


冬雅は、前傾から真っ直ぐ姿勢に

戻し頬を赤らめて拙く喜ぶ。

拙く喜ぶのは、演技だろう。

視線は冬雅から真奈に移す。

悲壮な表情が、すぐに不敵な笑みに変わる。


「お兄さんどうしたんですか?

冬雅ともう少しイチャつかなくていいんですか」


「イチャついていないから」


真奈の手を離さなよう、握る

力を強める。


「あっ・・・お兄さん」


「え、こめん」


気づけばどこか離れて行きそうな気がして無意識に握る力を・・・

我ながら何をしているんだ俺は。

立ち上がってソファーに座る。

俺は、ソファーのから右斜めに

折りたたみチェアを座る。


「・・・冬雅と見つめた後に

ワタシに手を強く握るの

手馴れていませんかお兄さん?」


赤い頬で、問いただす睨まれる。


「手馴れてなんか無いよ。

勝手が分からないから・・・

自分でもよく分からないんだよ」


情けないことに、真奈に悩み事を

口にした。


「・・・あー、うん。

お兄さんって恋愛経験が確か 冬雅以外はないですよねぇ?」


「はい、情けながらね・・・

あと冬雅と恋愛はしていない!」


恋愛はしていないと変な言い方をしたが、焦ってしまい出た。


「その嘘、かなり無理があるよ。

お兄さんが、本当に過去に付き合っていないか疑いたくなりますし

・・・べ、別にワタシが悲しい

わけじゃないし、キスとか

したのかな?なんて考えて

いないからねぇ!」


まくしたてる真奈。現実にツンデレはうざいとよく言われるが

実際そうでもないけど、心情とかこう考えているだろうなぁ

推測材料を多く与えるので

考えているのが分かりやすいのは

ときにアプローチになる。

結論、真奈はファーストキスや

他に彼女いないか不安。

そう分かると恥ずかし過ぎる。


「・・・えーと、お二人さん。

初々しいのも素敵ですが

そろそろ観ませんか?」


俺と真奈が、黙ってしまい見守っていた冬雅と三好さん。

沈黙を破ったのは知的の

三好さん。


「そ、そうよね!お兄さんが

静かになるから、茜を心配

したじゃない。

答えないって、死ぬほど恥ずかしいのに!」


「ご、ごめん。えーと・・・

何を観ようか?」


ブルーレイのリモコンを持ち

録画一覧を押してから、なにを

見るか決めていなかった。


「お兄さん。そういえば

相棒がありますけど

観ませんか?」


「相棒か・・・」


レジェンドドラマ相棒。

各一シーズン全24か25。

現在は、シーズン18。

思惑で複雑になる展開と

ときには不快にも思える

リアリティのあるミステリー。


「確認するけど、三人は

観たことはあるかい?」


一応、知らないならやめようと

思い軽い気持ちで問う。


「はい!わたしは中学校ときに友達から面白いよって勧められて

観ました。

えーと劇場版第3弾が初めて」


冬雅は、目を輝かせ答える。

三好さんが、うーんと唸りながら思い出そうとする。そして

考えた言葉を言う。


「私は、小学生のときに観ていました。最初に観たのが3代目で

・・・回はうろ覚えですけど、

それからはずっと観ています」


し、小学生からか。事件の内容とか人間関係が複雑なのに

小学生には難しすぎると思うが。

最後は真奈。


「ワタシも小学生から観たけど

最近はちょっと

観ていないかな?」


真奈も小学生から観ていたのか。

あれ?真奈が小学生なら

主人公の相棒が2代目か3代目に

なるわけか。そう考えると

ジェネレーションギャップ感じずにいられないなぁ。


「ちなみに私は、けっこう

最近だね。小さいころに少し

観ていた程度で。

シーズン13の初回が初めて

最後まで観た。

・・・それで、どう3人とも

観るかい?」


「はい!」

「いいよ」

「構いません」


冬雅、真奈、三好さんの順で

頷いたので再生と押す。


「あれ?冬雅や三好さんは

もう観たじゃないか?」


「はい!でも、お兄ちゃんと

一緒に観るのはまだですので!」


「うーん、私は最新話は普通に

まだです」


冬雅だけ観たことになるのか。

言った内容はスルーする。

・・・やっぱり恥ずかしいからって聞いていないふりはよくない。


「冬雅よかったら、次からは

四人で観ようか」


「・・・・・そうですねぇ」


分かっているよ。二人で言わなかったことが不満なのは。

俺は目的である恋い焦がれる冬雅の想いを冷めさせないといけないから。


「うーん、温かい終わり方でしたねぇお兄さん」


「そうだね・・・」


両腕をキレイな垂直に上げて

伸びをする真奈。

水色のシャツと同色ロングコート

に青色ロングスカート。

見終わり伸びするのはよく

あるけど、胸が気になるので

やめてほしいよ。


「・・・あの、お兄ちゃん。

唐突ですけど、お兄ちゃんは

巨乳が好きなんですか?」


クッキーを飲み込み冬雅は、

いきなりそう訊ねられた。


「えっ?」


つい、間の抜けた声を出す。


「だって、お兄ちゃん真奈の胸に逸らしたよ!わたしのときは

無かった反応で・・・

ちょっと悲しい」


冬雅は、少し―――ではなく

けっこう気にしているのか?

橙色の無地シャツ。白のズボンの上に若葉色ミニスカート。


「いや、そんな拘りはないよ」


実は貧乳派と言えず、話を

早々に終わらせよう。

触らぬ神に祟りなし。


「なるほど、冬雅のお兄さんが

巨乳をこの世なく愛しているから

真奈と付き合っているわけですか

・・・すみません真奈のこと

本当に好きなのですか?」


三好さんの今日の衣装は

白のダウンジャケットと

ズボンと裾が長いスカート色は

どちらとも黒。

それよりも、誤解が広がりそう。


「お、お兄さんが胸が大きいのが好きだったんだ・・・ふふ、

やったー」


「本当に違うから聞いてくれ!」


誤解が晴らすのに、再生した

アニメが終わったころだった。

内容は、まったく頭の中にない。


「うぅー、お兄ちゃんが

小さな胸が好きなんて・・・

えへへ、やりました!」


「そうだった。お兄さんは

シスコンでロリコンだから

小さいのが好き。

コンバートが大好き」


満面な笑みを浮かべる冬雅と

虚ろな目をする真奈。

対称的な二人に俺と三好さんは

苦笑せるしかなかった。

俺は、テーブルに置かれている

ポッキーを口に入れいくらか

噛んでからオレンジのファンター

で流す。好みまで言った

羞恥な気持ちは流れない。


「さ、さて次はなにを見よう?」


「ほとんど観たけど、まだ

観ていないのは・・・

けものみち!?」


上機嫌な冬雅は、NEWと表情

されている観て驚く。

録画した番組に観ていないのは

NEWと表示する。

なので、観ていないことがすぐに

分かってしまう。


「お兄さんがねぇ・・・

面白いのに。

お兄さん作者のあかつきなつめ先生は知っていますか?」


「?ラノベ好きなら有名すぎる

名前じゃないか真奈。

代表作が、このすばの作者に

もちろん知っているけど」


「そのアニメですけど

原作の作者さんがその暁なつめ

先生なんです」


「・・・し、知らなかった。

真奈や冬雅が驚くわけだ」


ラノベオタクとして、知らないのはちょっとした忸怩じくじな思いになる。


「でも、お兄ちゃんらしくって

わたし大好きですよ。

抜けているところ、かわいい

ですし」


「正直、10歳下の女子高校生に

かわいいと言われても

嬉しくないけど」


「ふぇ?えーと、それじゃあ

純粋で大好きです」


別の言い方を探していたのに

告白になったのだけど。


「お兄さんちょっとしつれい!」


真奈は、そう言うのが早いか

握っていない手でリモコンを

奪い再生と押す。


(気のせいか、機嫌が少しわるい)


アバンが終わると三人は

静かにして観る。いや、俺に

気遣ってなるべく静かにしたんだろう。1話から3話を一気に観た。


「すごく面白かった」


「えへへ、そうでしょう

お兄ちゃん」


「お兄さんは、胸が小さいキャラがきっと好きでしょうねぇ」


「まぁまぁ、冬雅のお兄さんが

目を逸したのは魅力に思ってる

証拠だよ」


どうしよう。

冬雅が嬉しそうに笑顔を見れるのは癒やされる。のはよかったけど

真奈が恨み辛み唱える言葉。

それをなだめる三好さん。真奈がこんな状態でも

手を繋いだまま。

離さないよう握るちか


「フッ、慰めの言葉はいいよ茜。

お兄さんは・・・うぅー」


「お兄ちゃんラブコメ主人公の

ような反応していましたよ」


冬雅は、明るい声でよく分からないことを言う。


「・・・そうなの?」


「うん。わたしが嘘をつくのが

下手だってよく知っている

でしょう」


真奈は、冬雅の顔をじぃーと

凝視する。嘆息して真奈は、

いつもの声音で笑う。


「あはは、よかった。

けど、ちょっと恥ずかしいのと

・・・他にもあって複雑だけど」


冬雅が、嘘が下手なのは納得だ。

誠実で文武両道と普通なら恥ずかしいことでも言えないことも

正直に話すのは、最強の戦国武将

である立花宗茂たちばなむねしげみたいだ。


「もう落ち着いたので、

感想でも言いませんか?」


三好さんの言葉に俺は「そうだね」と答え頷く。


「わたし魔獣を愛せる素敵だと

思います。わたしも愛があれば

想いを伝わってすごく幸せなんです。えっへへへ」


「ダメだ!冬雅がすごい発言で

悶ているよお兄さん?」


「冬雅さん重度のブラコン

ですね」


アニメを語ろうと思ったが

また、話が紆余曲折になりそうだ。真奈も三好さんもそれが

分かっているから、なんとか

しろと向けられる。


「・・・ えーと、冬雅それは

二人のときで」


「はっ!?は、はい。

つい嬉しくって、すみません。

二人のとき・・・えへへ」


「お兄さんヘタレより

たちが悪い!」


真奈を怒らせる結果になった。

いや、コミュ症で女の子と

まったく話をしていない俺に

頼ったのが間違いだけどと

不満を心に留める。

俺は大人・・・そんなこと

言っては駄目。絶対。


「冬雅さんは諦めましょう。

えーと、旗揚!けものみち

ですよね。私は、冬雅のお兄さんと同じく見ていませんでしたけど私達、爆笑して面白かったです」


三好さんは、あまりアニメやラノベを見ないタイプなので

そう言ってもらい嬉しく思う。

すでに俺は好きな作品になって

いる。あとで、原作も読もうと

決意もして。


「ふふ、それは良かった。

オタクに無縁な茜が楽しんでいるのか不安だったから」


「ムッ!いえマンガやアニメと

ラノベぐらい読みますよ。

た、たまたま純文学作品が

面白くって、なかなか見ていないだけです。オタクじゃなくても

見るんです!」


「う、うんそうだねぇ」


わぁー、真奈が三好さんに

アニメの話で一歩、下がるのは

珍しい。実際は一歩も下がっていないけど、どうしてもオタクって

疎い人には合わせるけど

色んな種類がいる。

アニメオタクとかゲームオタク

こちらのオタクはゲーセンか

家庭用または両方がいる。

俺はラノベオタクで

真奈はカードゲームオタク。


「ワタシは、いつの間にか

アリがいることに面白い!えーと、空気な扱いだけど

健気けなげというのか

かわいいく見えますね」


「はは、そうだね。

蟻の魔獣がどのシーン出るか

楽しみにしているほど」


俺の思ったことに真奈は、

「だよね!」と意気投合する。

それから冬雅も元に戻り

四人で語る。

気づけば1時間も話して驚いた

俺達は次のアニメを観ては

感想や語り続ける。

この日常が、ずっと続けてほしいと願う。誰に対してか・・・

きっと俺にだ。

だけど、いつかは終わりが訪れるの理解しても、そう願わずには

いられなかった。

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