第47話JKと縁を取り戻すため奔走する27

冬雅が、帰ってきたのは

午後6時間強。

強を付けると十分過ぎた程度の意味。

ちなみに逆の時間弱は、その時間の

十分前にあたる。


「冬雅おかえり・・・元気が

ないようだけど」


「お兄ちゃんただいま。

・・・えへへ、わたし元気ですよ」


目は、充血のような色。

・・・道すがら

泣いていたのだろうか。


「そうか。私の勘違いだったよ。

冬雅、久方ぶりに学校や塾だった

から疲れただろう。

今から夕食を作るからゆっくり

していってくれ」


「はい、そうさせていただきますね」


リビングルームに入り冬雅は真っ先に

向かったのはソファー。


ゴロンと倒れるようにうつ伏せる。

ソファーに勢いよく倒れた衝撃で

スカートが舞い・・・太ももを

レッドゾーン(パンツ)の寸前に

見えてしまい硬直。


パンツは、見ていない。

太腿ふとももしか見ていない。

けど、ドキッとしてしまい

脳内で自動再生など始めている自分が

いる・・・すぐに記録から消さないといけない!


その悩みは料理していたら

考えなくなった。

クーラーが効いているため、

この真夏でも料理で汗を流す羽目に

ならずにいる。


「冬雅!今日の夕食はナポリタンと

ベジタブル味噌汁出来たよ」


「はーーい!」


冬雅は、テレビを見ていた視線を

こちらに向ける。相変わらず

期待を裏切らない太陽のような笑顔。

ソファーの後ろに、ある

リビングテーブルに向かいで座る。


(今日はアニメじゃなくドラマを

見ていたのか・・・

高校生だから当然か)


「お兄ちゃん今日はなにを

観ますか?」


ブルーレイのリモコンを操作し

ここ最近、観ていたアニメを押す。

今期アニメではなく、入れたままの

円盤(ブルーレイディスク)。

ちなみにDVDやBDだとアニメ放送

ではなかったシーンの改善など。


「あれ?先、ドラマを見ていなかった冬雅。私の前では変な

忖度しなくても、いいんだよ」


「あっ、いえ考え事していたので。

実際は観ていません。

ボーッ、としていましたので」


「そうか・・・疲れたときは

ピタミンB2豊富の納豆」


ご飯にかける納豆。

・・・勧めて女子高校生に納豆は

どうだろう。と思った。


「な、納豆・・・疲れが摂れるって

知っていますけど」


「わ、わるい。ネバネバ感が

イヤだよね。卵もピタミンB2

含まれてるから

卵かけにする?」


ご飯のお供にこんなに勧めている

俺・・・冬雅からすれば怪訝もの。

だけど、ストレスなどの回復は

ピタミンB2。


親友の亀裂、学校、塾、など

ストレスの

ロイヤルストレートフラッシュ。


「ううん。まだ納豆を食べていませんので、この機に挑戦させて

もらいます!」


確固たる決意を示す冬雅。

なんだか、避けられぬ運命に抗う

主人公みたいな使命されても。


冬雅は、ネバネバあまりなかった。

最近のは、ネバネバ少ないのある。

さて、夕食を終えて冬雅が

紅茶を入れ二人分のコップ置く。


「・・・わたし、真奈と学校で

お兄ちゃんの事を話しました」


向かいの冬雅は、俯き問題となって

いる話題を始めた。


「元気が無いのは、結果が

かんばしくなかったから?」


「・・・うん。わたしなりに

事細かく誤解を晴らして

解決しようと行動しました。

事情は納得してくれました。

けど・・・だけど・・・・・

真奈は、お兄ちゃんの告白が

どうやらかせになっている

ようで、それにわたしの恋を

叶えてほしいと態度も言葉も!」


(冬雅も真奈の決意に思うことは

ある。字面にすれば当然なことで

俺よりも心配で不安で当然だ)


冬雅の言葉は徐々に弱まっている。

天真爛漫で意気揚々は、霧の奥に

あるように思えてしまう。


「・・・それは、学校で?」


「はい・・・放課後の屋上で。

わたしがもっと・・・・・」


冬雅は、親友の苦痛な選択に

涙目から、水滴を涙を流す。

確かに真奈の選択は、客観的に見れば

尊く正しい選択に思える。


しかし、当事者は違う!

そんな結末に解決なんてさせない。


「冬雅。聞いてほしい・・・

私も真奈を気持ちを正直にさせる

ために思いつく限りの案を

準備していた」


「お兄ちゃん?」


「考えを改めさせるには・・・

冬雅の強力が必要なんだけど」


冬雅は、机に両手をバンと叩き

立ち上がる。


「そんなの・・・断ないよ!

お兄ちゃんと真奈の・・・

ううん。3人のためにだよ」


「・・・そうだね。頼むじゃなくて

冬雅。真奈を立ち直るのに

やってほしいことがある!」


「任せてお兄ちゃん!」


目の前の女子高校生、冬雅が

頼もしく思え喝采したくなる。


打ち合わせは、一時間も費やした。

真奈を正直にさせるのは

俺に掛かっている成否に不安がある

けど、そのときは別の案だ。


冬雅を家に送るけど、右となりで

歩いてもすぐ。

冬雅がカギを開けて、振り返る。

今回は、門扉の前ではなく玄関前。


「お、お兄ちゃん・・・

その色々あって忘れていたこと

ありました。かなり重要なことです」


「重要な事?」


重要な事を言とした冬雅だけど、

恥ずかしそうに両手を胸の前に組んで

視線は逸し戻すの繰り返し。

あれ、デジャブ?

冬雅は、呼吸をゆっくりして

意を決したようだ。


「お兄ちゃん!わたし

不謹慎だけど、嬉しかった・・・

頼られて、真剣に話せる時間が」


「それは、確かに不謹慎だけど

感情は嘘はつけないからね」


もしかして、懺悔ざんげなのか

推測したが、表情で違う!と気づく。


「そんな、お兄ちゃんもカッコよくて素敵で尊敬できて・・・・・

もっと、もぉぉぉぉーーーっと、

大好きになりました」


「えっ!?あ、ありがとう」


長い黒髪をなびかせ涙目で頬は赤く

見つめられ、熱い告白だった。

何故だろう心が暖かく高ぶる。


「えへへ、嬉しいですお兄ちゃん。

・・・わたし、お兄ちゃんの

言っていた年の差。

それに、その好きはきっと勘違いも

わたしは強く否定する!

わたしは、お兄ちゃんをずっと

好きなんですから!」


そう言いドアを閉める。

恥ずかしくて限界なのは、

なんとなく分かっていた。


聞いていた俺もそうだから、言った

冬雅は数倍以上だろう。

でも、そうなる。年の差というのは

差異があまりにもある。


女子高校生の好きは勘違いだと

気づく。ただ男性に免疫がないと。

だけど、その固定観念となっていた

俺の持論は、揺れ動いていた。

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