第21話これまでの、水着回・・・告白していた

「くらえー!ワタシの必殺技。

レイジング・ヴァルキリー」


きらめく太陽の下、ポニーテールを揺らして波打ち際で蹴る。高く、高くジャンプした

羽織ったパーカーが似合う美少女。

ビーチボールに技を叫びながら全力の攻撃が、今・・・放とうとする。


「フッ、軌道が読みやすい攻撃。

私が相手だった不運を呪うんだね」


放つ前の一瞬、挙げた掌には狙い落とす方角は右側だ。右から、スマッシュが来ると読み

事前に放つポイントへ向かう。

辿り着くと同時に必殺技が放ってきた。


「もらったーー!」


俺の予想は的中する。想定内な軌道に優越感に不敵に笑う。

そして予想外は起きた。

気づいた頃にはボールは水の上にあった。


「バ、バカなぁ!?・・・・・私の

計算に狂いはなかったはずだ!?」


「ふふ、戦いに計算なんて

ナンセンス!わたしの魂が超えた。

ただ、それだけよ」


「そうか・・・これが、魂を

燃やすことなのか!!」


俺は軌道による導き出した計算をした。しかし、それが本来の熱意を軽視して、思い出させた。奥底に熱く燃えたぎる。


「え、えーと・・・これ、

ただのビーチボールで遊んでいる

だけなんだけど?」


謎の激闘が広げている中で冬雅は困ったように苦笑を浮かべる。

彼女が、俺と平野さんの寸劇に呆れていたのは当然としてお互い運動不足で結構、拮抗した。

海に来て定番のビーチボールを使った遊びをして、落ちないように上げて次の人に上げる。冬雅と真奈、俺の順で。


コートもなく上げたボールを返し時々は予想外の方角に行き放つと次の人に回らなくても継続していくゆるい遊びだった。


途中から平野さんが熱いセリフを言い放ち俺は感化されて、こういう流れへとなった。


真菜まなは、いいよね。

お兄ちゃんと自然に話せ・・・て!」


上げたボールを打った!今までゆっくりと上げたのがまっすぐへと進む。


「おぉっわぁ!?これが嫉妬か」


突然の狙いに定められたが平野さんだが奇跡的にボールを上げた。

そのボールを俺は冬雅に上げる。


「ち、違うよ!な、無く

はないけど・・・純粋に、

当たり前のように澱みなく話せてうらやましいのぉ!」


3メートルほど高さに上げたボールを冬雅は、華麗にジャンプ。

そして、スマッシュを!?よ、容赦がないようで。


「うそぉぉぉーーー!?」


こればかりは、どうしようもなく

地面にボールは跳ね返り静かな音。


「えへへ、やった!」


「おとなしいイメージだったのけど、

実際は無邪気なんだからびっくり

したよ。ワタシは」


真奈の評価更新に俺は。


「私は逆に冬雅にはおとなしい

イメージがないかな?」


イメージは抱いた欠片を集めて作ったような人物像なので差異さいが起きるのは必然だ。

しかし、最初の頃であった俺も冬雅は冷たい印象だったが最近は、過剰なアプローチや赤くなり悶える所を見る場面が増えた。物静かなイメージが浮かべないのだ。


「そう・・・じゃあ、

これは愛の力と奴かな?

冬雅かわいいことばかりするし、

お兄さんは、白昼堂々と愛している

と応えるし」


突然の発言に俺と冬雅はフリーズしました。あれ?そんなクレイジーな発言したのだろうかと振り返るが無い。


「えーと、愛しているなんて言っていないのだけど」


冬雅に前に俺が言った言葉が傍観者であった平野さんは告白みたいだなーと判断したのだろう。

第三者はそう聴こえる思い当たりもあるが、事実はしていない。

断じてしていない!


「えへへ、お兄ちゃんとデートで

愛しているなんて。えへへへ」


「急に告白なんかするから冬雅が

暴走したね。

お兄さんこれは責任を取る選択しか無いですよ!」


「せ、責任と言われても・・・」


平野さんの狙いはこれでは。

それから、存分に揶揄からかわれながらピーチボールを遊び続けた。

それにしても、この暑さによる喧騒と海風または、この雰囲気のすべてが開放感を感じさせて俺は童心に戻り無邪気になれるのかもしれない。


遊び飽きた二人に体力が尽きた俺を見て休むことにした。

なんだか、体力がなくてすみません。

優しい二人にせめて大人の矜持きょうじと、かき氷を奢る。

テーブルに座り食事を楽しむことにした。


「お、おいしいですね」


現在はやや攻めが弱い冬雅の言葉に違和感を覚える。いつもは、もっと攻める。

ピーチボールでは、俺になにも

仕掛けずボールを上げていた。


そして、今だって座っているのは斜向かい。


好きじゃ無くなった・・・・・可能性を考察したが照れ笑いを浮かべていて、恋慕が窺えられる。

それはないかと頭の外に追い払う。突然の距離感と恥ずかしそうに笑みを向けられ少し困る。


「うわぁー、熱いよ。

なにこの青春で純愛な二人は。

そろそろ恋愛に慣れようよ。

とくにお兄さんはとくにだよ」


「そ、そうだね・・・冬雅、

ここに来れて楽しかったよ。

学生頃よりもいい夏の

思い出になったよ」


その前に学生時代に行ったのは小学生ぐらいだけど。


「はい!わたしも、最高ですよ。

お兄ちゃんに熱い言葉も貰い・・・

幸せでした。

わたしが、ドキドキしっぱなしです」


冬雅は、自分がドキドキと発言した。そう推論が思い至った。

冬雅の恋に攻めるスタンスが

影を潜めたのは、そのドキドキが

思考や鼓動が燃えるような状態に

なっているやもしれない。


「冬雅・・・その、ありがとう。

だけどね、無理はしないでほしい。

冬雅のベースでアプローチして

くれればいいよ」


放心状態になるまで告白されてくると心が持たない。それにこれは冬雅が求めた言葉じゃないのは知っていて使っている。


「う、うん」


俺には好意を持っていない。

それ以外の数え切れない要素で冬雅の好意を答える資格はないと思っている。


「ハァ、お兄さんヘタレか」


恋の補佐ほさをしていた

平野さんには悪いが、いくら冬雅のためにやっても水泡に帰するんだ。色々と話もして休憩タイムは終了。次に遊ぶのはスイカ割り。

提案したのは、以外にも冬雅。


「それじゃあ・・・私が出る!」


一番槍は俺。

目隠しをして、はちまきを巻き

木刀を持つ。もちろん、周りの人が

いないか周囲を確認してから安全な場所で行う。


「お兄ちゃんもう少し右だよ!」


鈴を転がす美声の持ち主、冬雅。


「お兄さん左、ひだりぃ!」


逆方向を言い放つ元気が溢れる平野さん。

俺は冬雅を信じて迷わず右に向かう。


「前方、およそ2メートルだよ」


「もう少し左に進んで」


冬雅の指示に前進して、視界が見えないと距離感も

曖昧になっていき、どこまで

進んだか分からなくなる。


「あと、3歩だけ前にですよ」


「お兄さんもっと、前へ!」


次は二人の指示を照らし合わせ

3歩目で足をいつもよりも前へ上げる。


「「今ぁぁーー」」


「秘技、一刀両断!」


この場面なら技名を言うと、なんとなくそう感じた俺は叫びながら一直線に木刀を振り下ろす。

シュールな音が鳴り、硬い物を叩いた衝撃が手に伝わる。はちまきを解くと、しっかり命中していた。


さすがに綺麗に真ん中にではなく、

右側からたてひびが出来ていた。罅なので2つには割れていなかった。

二人の判決に三角という謎の判決を下された?次の挑戦者は冬雅。


スイカ割りの進行方向の指示を平野さんじゃなく俺の言葉に動いていた。

スイカには当たった。しかし、今回も思った場所ではなく、木刀の先端をスイカの前を割った少し粉砕している。チャレンジしたが最後は普通に人数分にして砂の上で座り食べることになった。


「なんていうか、原始的だね」


「現実はフィクションを常に

裏切るからね」


平野さんの言葉にリアリストな返す俺はややボロボロのスイカへ口に運び豪快に食べる。


「キャーー!!ワイルドな

お兄ちゃんもいいです!!

かっこいい、かわいいよぉー!」


とてつもなくはしゃぎ始めた冬雅。


「ヤバいぐらいに笑顔だけど

冬雅って、ワタシの支持には

完全に無視してお兄さんの

言った方角に進むんだよね。

さすがに、あれは傷ついたよ」


スイカを頬張って飲み込んでから

平野さんは、そう言った。

批判的と半眼で横目を刺すように見られ冬雅は、困った顔をする。


「あ、あはは・・・ごめんね。

信じるなら、お兄ちゃんだって

勝手に動いた言うのか?

動かされたんだよ!」


「ふーん、ほう。なるほど、

冬雅が、お兄さんに宇宙のように

愛していることは」


「ち、ちがう・・・くないけど!

言葉が、間違って・・・なくて!

はううぅぅ」


「あほはは」


「平野さんほどほどにしてね」


かしましく楽しそうにする二人をBGMに

海を眺めながらのスイカを食べるのも悪くないと、思えるのだった。


スイカをゴミへと捨てて俺は二人の所へ戻ろうとすると、明らかにチャラそうな10代後半から20代前半ぐらいの男性の二人に声を掛けていた。

遠くって内容は聞き取れないがナンパ・・・なのは見れば分かった。

自然と足が動き走り始めた。


「君たち、可愛いねぇ。俺らと

付き合わねぇ?」


「そ、その・・・ごめんなさい」


「そんなこと言わないで、さぁ!」


手をつかもうとする瞬間に俺はその間へ強引に入り遮る。


「うわあぁ!?」


「おっと、失礼。連れに声を掛けていたが、なにか?」


「お、お兄ちゃん!」


「お兄さん!」


チラッ後ろに振り返れば二人は手足を小刻みに震えていた。

俺が来たことで少しだけ安堵の表情を浮かべていた。


「お兄さんですか?この子と

付き合いたいんだけど?」


アゴに少しヒゲを残した(あえて残しているかも)髪は染めてくすんだ金髪は攻撃的な印象。


「どいてくんねぇ?お兄さん」


片方は、サングラスと鼻や耳に

ピアス、腕にはタトゥーなど した

外国人を羨望しているのか

過剰な装飾している。


「あー、妹達は恋人いるので

引いてくれませんか?」


小説志望者としての咄嗟の偽りの関係性を浮かんで、不自然ではないように穏便に解決を出来るように。


「邪魔しないでほしいんだけど」


しかし、彼らは威圧的な気配を放つ。一瞬だけ、たじろぐ。

しかし引くという選択肢は最初から無いし存在はしない。


「もしなにかしようとすれば、

いくつかの罪になりますよ。

脅迫罪は・・・

2年以下の徴役か罰金30万円。

傷害罪は、程度によるけど

50万以下か15年以下懲役」


俺の武器は犯罪を冒した場合による重さを述べることだ。


「はぁ!?なに言ってるんだ」


「うるせぇんだよ」


いきなりは暴力を振るう事なかったが強い敵視を向けられ、恐怖感はあったが後ろの

二人ために気丈に振る舞う。


「つまり、脅せば脅迫罪。

傷害罪は、傷をつけるのも

そうだけど、相手をうつ病などの

精神を深く傷をつかせても

罪になります・・・・・

これで、お分かりですね。

引かなければ、法廷で次にお会いに

なるでしょう。

負ければ、家族や恋人も

犯罪者として地獄に堕ちるでしょう」


確実に引いてくれるように、俺は余裕の態度を作る。


「「なっ・・・」」


「「・・・・・」」


沈黙の空気が支配していると

いうべきか、そんな中でしばらく男達は俺に憤怒の

表情で睨みそして――――


「チッ、つまんねぇ」


「やり方が、汚いんだよ!」


二人は去って行った。本当に最後の言葉通り褒めた撃退法じゃない。

後ろの二人を、邪な眼差しを向けられ俺は感じたこと無い強い憤りがあった。


「お、お兄ちゃん!!」


「えっ!?」


俺の後ろにギューと抱きつく冬雅。

こんな汚い方法へスッキリしない

手段を取った俺に甘えってきたことに驚いた。軽蔑や悪口の一つでも覚悟はしていたから。


「こ、こわかったです。

もう少し遅かったら、思うと・・・」


それ以上は言わないでほしいし、考えないでほしい。


「冬雅」


涙声だった。それは本当に怖かったのだろうと伝わってくるものだった・・・否!

伝わるなんて、そんな軽々しく

冬雅の気持ちを理解したつもりに

なってはいけない。


「お兄さん・・・ありがとう。

助かりました」


「いいよ、当然のことしたから」


平野さんは、すっかり震えは収まりはしたが、きっと心は恐怖が消えていないのだろう。

平常心に戻りつつあるように見えるだけだ。


「その、お兄さん・・・

つらかったら、ワタシに飛び込んで

ください」


平野さんは腕を広げてそう言った。


「えつ?」


「だって、悲しそうにして

いますよ。ワタシ達のためか、

罵声に対してか

それとも両方か別の・・・・・

分かりませんけど、それでも

ワタシは、お兄さんを膝枕でも

して甘えさせるよ」


珍しく慈しむような微笑で

平野さんは言う。


「そのときになったら、そう

させてもらうよ」


しばらく冬雅が、落ち着くまで

明るく会話を続けるとハグしていた冬雅は両手を解き離れ、いつもの笑みを浮かべる。お礼を言われ

反射的にこっちも礼を返す。


「お兄ちゃんそれ!」


波打ち際に打ち寄せる水は、

膝のあまりまで行くと冬雅が水を

掛けてきた。

マンガやアニメで散々と見てきたシーンを。


「えーと、お返し?」


掛けられたら、仕返しすふのが礼儀かなと思い両手をバシャと勢いよく掛ける。


「キャーー!!お兄ちゃん

やったねぇ」


「お兄さん疑問系で掛けて・・・

冬雅は、冬雅で子供みたい」


冷静に指摘する平野さんだったが、むずむずしていたのか冬雅に水をバシャと掛けられると指摘した子供みたいにはしゃいでいくのであった。

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