第22話いつかは忘れて終わりの物語

今日も蒸し暑い室内に熱中症対策に

クーラーの涼しい風をリモコンで

つける。

リビングテーブルに座り小説を書く。

今は向かうには、冬雅の姿はない。


今日は、塾があるため訪れるのは

夕方へとなる。・・・イヤ、最近はここで睡眠を取って、起きているので訪れるよりも帰宅の方が正しいか?

そんなことよりも、小説に集中

しないとなぁ。


「・・・・・それにしても、

静かなだなぁ。冬雅や平野さんが

いないだけで、音もないのは」


この独り言だって減少中で、言葉を返ってこないと分かりきった言葉になんだか、感慨深く寂しくある。二人なら返してくれるからなぁ。


(いつか、冬雅が俺に対して愛を

冷めたら、この静寂な空間を思い出しす、毎日の日々に変えるのか。

もとい在るべきへと戻るだけだ)


歓迎するべきことなんだ。

冬雅には、女子高生としての時間と明るく厳しい様々な未来がある。

熱量と言うのか、それを向けるべき人がいる。それが、俺であるべき

ではない・・・そうと分かりきって

いるのに、どうして!こうも―――


「ずっと、いて欲しいなんて

思っているんだ・・・俺は・・・!?」


心の中ではすでに冬雅と楽しく

和気藹々わきあいあいと他愛のない話しする日常を望んでる。

無邪気で好意を向けられる笑顔を頭から離れなず鮮明に思い出せる。

忘れ去った思いを思い出させてくれた。


他にもぬくもりなどを教えて

くれた大事な人になっていた。

・・・しかし、俺はそれでも恋慕ではなく

家族として、妹的な存在として

頭に定着している。


「冬雅に・・・これが不誠実か、それとも、当然の結末に向かってるのか?」


正しいのか彷徨さまよって俺は悩みのあまり独白をする

この空間で自問自答して

明確な解決を探して。


―――[その頃の峰島冬雅]―――


高校2年になり人生で一番の歓喜するべき幸福で心は、充満している。

嫌な事や苦しい事ががあれば、意中の相手を思い出す。

それだけで多幸感が全身が駆け巡るような事が起きる。

でも、わたしを好きなのかよく分からない点と、年が離れていることなのです。


お兄ちゃんは、それが壁と思っているようで絶対に付き合えない姿勢へとさせている。

そして、逢って話したい、見たい気持ちが高まり決行。それが告白の日になり、好きと言ってしまった。

正直、お兄ちゃん本音はよくわからない。


(やっぱり、わたしが大人になるまで

待つしかないのかな?

でも、でも!もっと、恋人らしい

ことしたい。いえ、そもそも

お兄ちゃんがわたしを恋の対象に

見れなければ成立しない!?

・・・・・フラレたら、どうしよう!?

恋人になりたいよ)


そんな、鬱々とした感情に支配されつつあるわたしに塾の講師は

教鞭に立ち熱くなっていき声高にマイナス考察が止まる。

急に高くなる声に意識が途切れ塾講師の声に自然と集中する。

熱血です。


「いいか!歴史っていうのは

暗記じゃない。感じるものだ!

例えば、ガンダムやドラゴンボールに暗記目的で見る人はいない。

つまり、そういう訳だ!」


だ、駄目だ。なんとなく暗記は効率よくないだけは、伝わるのだけど

伝説のアニメを例えられると

戸惑ってしまい、集中力を発揮するのが困難に陥るよ。

塾の時間が過ぎていく。


(お、終わった・・・。

やった!お兄ちゃんに甘えれるし

隣にいられる!だ、だめ・・・

想像するだけで、えへへ)


冬雅ふゆかなに考えたか

当ててみようか?」


「えっ?あっ!真奈まなあかね!?」


わたしの席の前に声を掛けるのは真奈達。

友達の平野真奈と三好茜みよしあかねの二人は対象的な表情をする。

真奈は、企んでいる笑みで

茜は、首を傾げていた。


「ズバリ、早く帰って想い人に

告白をして、イチャイチャするよね」


「わあぁぁぁーーー!?そ、そ、

そんなことないよ。

そんな積極性じゃないから」


「そうかな?いつもは見ている

ワタシが赤くなるような

言動とか攻めているよ。

もう、勇者か!って思って見てた」


「そ、そうなんだね」


わたしは、作り笑顔で応える。

長年に培った作り笑顔に、友達は違和感を与えない自信はある。

これで、どんな質問が来ようが

乱れることなく困惑ゼロでいく!


「もし、その意中が冬雅に

愛している!と熱烈に迫られたら?」


「・・・・・はっ!?

そ、そんないよ。えへへへへ」


無意識に想像してしまった。

そのあと、カッコいい映画のように

素敵な夜景を眺めてキスをする。

なんて、言えるわけない!?


「スゴイ笑顔だよ冬雅」


「ふぇ?」


頭がスゴく多幸感で天国に行けそうな

状態をなんとか振り払い、

周囲を見れば硬直している人達。

そんなに、注目させる笑顔を。


「・・・驚いた。冬雅は、そんなに

喜怒哀楽を分かりやすく現れるなんて、夢にも思わなかった」


「あはは、まったくそうだよ茜。

ワタシもびっくりだよ!あはははは」


「い、いい加減にしてよ真奈!」


視界のすみに入った呆然としていた

人たちは、いつもよりも視線を感じる。

・・・あっ、これは恋の眼差しと

いうのか、そんな類だった。

それよりも、真奈が逃げたので追いかける。


逃げ切られ追うのを断念して帰路に就く。途中まで茜と一緒に。

駅に向かう道に手を振って待っていた真奈。待っているなら別に逃げなくてもいいのに。

茜とは別れて真奈と話をしながらお兄ちゃんの家に足を進む。


着いて家に入ると、お兄ちゃんは歓迎してくれました。

気のせいか、嬉しそうで優しく笑みをいつもよりも、わたしに向けていた。こ、これは想像していたからかな?ともかく。


「えへへ、お兄ちゃん。

大好き!永遠に愛してます」


やっぱり、シンプルに愛の言葉には効果は大きい。そう思って、信じて、恥ずかしい気持ちあるけど

言いたくてしょうがない。


「あ、ありがとう」


「えへへ、照れているお兄ちゃんも

かわいいくって、嬉しいです」


この反応をするのは、わたしに

好きだと言われ照れ笑いを浮かべている。

もう、恋人になれるかな?


「ほら、二人ともいつまで

玄関でラブコメしないでよ」


真奈に注意され、靴を脱ぎ

上がります。リビングに入って

お兄ちゃんと真奈とで今日も

一緒にアニメを鑑賞します。

一時間ぐらい経つとお兄ちゃんが

夕食を作り始めたので、

わたしは、真奈とゲームをします。

夕食ができると鑑賞を再開。


「お兄さんって、メイド見たいと思わない?」


突然、真奈はそう言いました。


「急だね?見たいと言われても・・・あるのかな?」


「嫌いな人はいないって・・・アニメやマンガの知識だけど。

たとえば・・・ワタシのメイド姿だとお兄さんどんな反応するのかな?」


「似合うと思うよ」


「なんか、求めた応えじゃない。

お兄さんって、オタク知識けっこう豊富なんだから、メイド喫茶という所に行ったことあるじゃない?」


メイド喫茶か。お兄ちゃんなら

絶対に一回は足に運んだイメージがある。わたしは無いけど、あのかわいいフリフリした格好は

着てみたい気持ちはある。


「いや、まだだよ」


言ったのはお兄ちゃん。

えっ?メイド喫茶に行ったことない?ことだろうか。


「あれ?メイド喫茶に一度も?」


真奈が、驚愕してお兄ちゃんに疑問の言葉で訊きます。


「それじゃあ、ワタシがメイド

衣装をすれば初めての人だね」


は、初めて・・・・・!?そんな特別な思い出となれる人は――――


「お兄ちゃん!わたし、

メイドになるよ」


「「・・・えっ?」」


勢いで宣言したことに二人は放心したような驚いていました。

お兄ちゃんならともかく真奈が煽ったじゃないですか。

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