今の世界ってさ、行き詰っていると思わないか?
@kazunoob
今の世界ってさ、行き詰っていると思わないか?
死んだら、どこへ行くのかな。
僕は最近、このことをよく考える。
若いんだからもっと別の事を考えて、人生を楽しみなさいと言われるかもしれない。
実際に言われたこともあるし。
でも、今人生を楽しんだら、死んだ後に何か得することがあるのだろうか。
もし何も得ることができないんだったら、人生って、空虚なことだ。
世界で一番のお金持ちになっても、世界で一番の美貌を得ても、死んだらなくなる。
輪廻転生という言葉がある。
よく知らないけど、人は死んだら生まれ変わるっていう宗教の言葉らしい。
記憶とかは、三途の川を渡るときになくなっちゃうんだとか。
生まれ変わるときには、生前行ってきた行為によって、次に何に生まれるか決められるそうだ。
昔は、科学なんて発展していなかったから、人々は神にすがって、何かわからないことがあると全部神の意志だととらえた。
今生きている世界でも、その次に転生した後も、神の怒りは受けたくないから、助け合いという言葉が一般的だった。
そうすることで、神の許しを得ようとしたんだね。
実際にそうだったのかはわからないし、確かめるすべもあるのか不明だけど、地域間での結びつきっていうのは今よりずっと強かったんじゃないかな。
人々は、そうやって神にすがって、この世界になにか意味を見出そうとしたのかもしれない。
この世界で死んだら、もう終わり。
そんなことは怖くて考えられなかったんだ。
でも、すがるものがあっただけ、今よりはずっとましだったと思う。
いまは、日本人のだいたいが無神論者だ。
いわゆる、神なんて信じないという人々だ。僕も実際その一人である。
でも、昔は無神論者なんてほとんどいなかったんじゃないかな。
昔と今、どうしてこうも違うんだろうね。
僕は、きっと科学のせいだと思う。
せい、なんて言っているけど、僕は科学が悪いものだとはちっとも思っていない。
でも、理論に裏付けされた現実を突きつけることは、少なからず人々にショックを与えたんだ。
そして、科学が発展した今、人々は、世界は、行き詰まっている。
世界が進むべき方向が、定まっていないんだ。
自分たちが何に向かって進めばいいのか、なんのために生きているのか、今更考え出している。
若者の自殺が多いのって、そういうことなんじゃないかな。
めったなことは言えないけど、僕はそう思っている。
さっきも言った通り、昔は神にすがっていればよかった。
人生の意味も、死後の恐怖も、そのすべてを神で説明することができた。
だけど、科学技術が発展して、神が嘘だとほとんどの人が考えた。
それでも途中まではよかった。科学を発展させ、より良い世界を形作ろうという意思で、人類が一丸となっていたから。
そして、現在。
僕は、科学はもう来るべきところまで来てしまったのではないかと思う。
これ以上大きな飛躍というものは、もうないんじゃないか。
人間が許容できるスペックを超えて、人々は自由と便利を手に入れてしまったんだ。
その最たるものが、スマホだね。
正直、あれに勝る電子機器がこれから登場するとは全く思えない。
あれより小さくしたら見えなくなっちゃうし、大きくすると不便だ。
システム的にはもっといいものが作り出せるのかもしれないけど、でもあれが一種の完成形なんだと思う。
どこでも、何でもできる。まさに夢の道具だ。
そうした電子製品に囲まれて、電子世界という者に人々はのめりこみ始めた。
いわゆる、ネットの海。
でもさ、それって現実世界のほかにもう一つ、人間が世界を作ったってことでもあるんだ。
世界が二つ。現実と、架空。
ネットは人々がつながっているからまったくの架空といえなくもないけれど、でも現実世界とは完全な隔たりがあるだろう。
それで、僕は思った。
人生の価値が軽くなっているんじゃないかな、って。
別に現実世界じゃなくても、生きる場所はあるんだってことだね。
うーん、言い方が難しいな。
たとえば、とあるゲームがあったとしよう。
全世界の人々と同時にプレイするゲーム。
もしそこでは、自分ともう一人しかプレイしていなかったら?
全世界で二人だけ。
なんか、さみしくない?
まあそれも面白いかもしれないけど、本気でやろうとは思わないよね。
つまり、そういうこと。
世界が二つになって、人々の数は劇的には変わっていない。
じゃあ、二つに世界のどっちを選ぶ?
電子世界に行く人もいれば、現実世界にいる人もいる。
世界の人口が減ってしまうんだ。
プレイヤーが減ってしまっては、人生というゲームに対する面白味がなくなっちゃうんじゃないかな。
でも、まあ実際は両立している人がほとんどだから、僕の考えは正しくはないね。今のは忘れていいや。
話を戻そうか。
で、完成されかけている科学技術によって、人々はよりよい社会を作るという目標を失いつつある。
昔は神。
この前までは国を強くする、科学技術を発展させてよりよい生活を作る、などの意思。
そして、いまは、それらの意思が消えかかっている。
それなら、人生に生きる意味なんてないのか?
ここいらで、なにか世界が一丸となって向かうべき目標が必要だ。
一人一人が実感できるような、身近な、でも世界規模の目標。
戦時下は、兵士になって敵を倒せばその分国のためになったし、ご飯を我慢すればその分国のためになった。
国家規模の大きなプロジェクトに、自分が参加できていたから、そしてそれを実感していたから、人々は頑張れた。
じゃあ、今は?
それは、これからの未来を創る、僕たち若者が考えるべきことだ。
常に目標を持ってくれ。
友人を多く持ち。
自殺なんて考えずに。
人はその人生を楽しむために生きているから。
時々、楽しいパーティーのはざまで、急に悲しい気持ちになることがあるよね。
それは、その楽しみ、喜び、それらを無駄なものだと考えて、それらの感情が、死んだ後には残らないことを惜しんでいるからなんだ。
そんなことは些末さ。
自分の人生に意味を見出して、走り抜けることだけ、考えよう。
人々の中心に立って、生きていることを実感して。
世界を、引っ張っていこう。僕たちは、地球にいる人類の一員だから。
これが、僕から君たちに贈ることができる、唯一のメッセージ。
Boys, Be Ambitious.
今の世界ってさ、行き詰っていると思わないか? @kazunoob
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
世界のニュース 及び 筆者の身近なこと最新/@kintyou
★1 エッセイ・ノンフィクション 連載中 30話
踊る猫のグローリーデイズ / 跳舞猫日録最新/踊る猫
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 288話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます