3話 マサヤ
さて、高校入試の時期がやって来た。
勿論俺は県内最難関の私立男子校を受ける。だが俺は入試トップだろうととれる自信がある。
だが、隣の中学に俺と同じ高校を受ける『タカキ』という男がいるらしい。
ソイツはとにかくガリ勉の記憶力オバケだ、とクラスメイトが話していた。
そんな『タカキ』という男を俺は羨ましいと思った。
俺が努力をすると周りは「やっぱ天才も努力をしてるんだな」と笑う。
違う、俺は何もしなくてもできる天才だ。
そう見栄を張ってしまうから、俺は努力をすることを許されない。
純粋に努力できる『タカキ』を俺は羨ましいと思った。
誰かを羨ましいと思うのは初めてで、
すごく、すごく屈辱だった。
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