第令和Part最終『運命の再会』
網浜:社宅384号室前 夜
アミリンでっす。さっそく引っ越し会場に来てみました。凜にとっては決して忘れられない場所です。
あの日、小野木佳代の死体を発見した日、この綺麗なマンションは戦渦に良く似た空気に包まれました。
あれからもう半年です。月日が流れるのは速いものですね。
凜が考え事をしていたら日下姉さんが部屋から出てきたので挨拶しておきました。
網浜「日下さん、こんばんは」
日下「ああ、網浜」
網浜「もう、凜のことは尊敬と敬意と愛情を込めてアミリンって呼んでくださいよ」
日下「悪いけど、今気分が悪いから、そういうのついていけないの」
網浜「どうかしたんですか」
日下「今度の新人、ちょっと変な子なの。いや、ちょっとじゃないかも」
網浜「?」
凜は首を横に振りました。
日下「とにかく、そういうことだから、じゃあね、刑事さん」
網浜「良い眠りを~」
一体どういうことだろう。
長畑:社宅384号室内 リビング 夜
長畑だ。牧野さんの霊感トークに一同がびびっている。
貴方の知らない世界は知らないほうが良いに決まってるだろう。
長畑「はは、牧田さんは冗談が上手いね」
牧野「牧野です。冗談じゃありません。いいんです。どうせ言っても誰も信じてくれないから」
犬伏「そんなことよりもっと楽しい話しない」
犬伏が強引に話題を変えにきた。
東矢「いいね、真希ちゃん。どんな話」
犬伏「この前ネットフリックスでストレンジャーシングスを観たんだ。」
話題転換どころか、モロじゃねえか。
牧野「そのドラマ知ってます。面白いですよね」
犬伏「そうそう、ヒロインの女の子が坊主なんだけどすっごい可愛いのよ」
牧野「私も異世界の存在を信じているので、あのドラマには感銘を受けてます」
どうやら犬伏は牧野さんと上手くやっていけそうらしい。
俺達が話をしていると、網浜が部屋に入ってきた。
網浜「こんばんは~敏腕刑事が乱入しにきましたよ」
東矢「網浜、久しぶりだな。」
犬伏「あっアミリン来たな。から揚げあるよ」
網浜「ありがとうございます。犬伏さんのはホント美味しいですよね」
犬伏「そりゃ大分の中津出身ですから」
牧野「中津には何かあるんですか?」
犬伏「中津はから揚げの街なんだよ。思い出すな、毎日下校時にから揚げ屋によってから揚げを食べてたよ」
牧野「そうなんですか。ところで彼女は?」
網浜「網浜凜、刑事21歳です。凜のことは尊敬と敬意と愛情をもってアミリンって呼んでくださいね。」
牧野「・・・アミリン」
牧野さんと網浜が互いに何かを思い出そうとして頭をくしゃくしゃしている。何かあったんだろうか。
牧野「あーーーーーーーーーーーーっあのときの刑事さんだ」
網浜「あーーーーーーーーーーーーっあのときの民間人だ」
牧野「あのときは本当にどうもありがとう、助かったよ」
網浜「いえいえ、当然のことをしたまでだよ」
犬伏「二人は面識あるの?」
牧野「私、品川でひったくりにあっちゃって。そのときにアミリンがカバンを奪い返してくれたんです」
東矢「ひえ、そいつはすごい偶然だな」
牧野「これからよろしくね、刑事さん」
網浜「こちらこそよろしくね、牧野ちゃん。牧野玉藻だから、タマちゃんって呼ぶ事にするよ」
牧野「ありがとうアミリン」
こうして、牧野さん引越し初日の夜は更けていった。これから始まる壮大な物語の前哨戦が終わりを告げようとしていた。
犬伏「で、その坊主頭の子とゾンビ小僧が」
犬伏は空気が読めない。
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