第95話 魔王軍との会食準備


 第95話 魔王軍との会食準備


 ガルルワント魔王軍の私設秘書であるというルーカス。紳士のような風貌の裏に、とてつもない魔力を秘めているのがわかる。ユウキは、今の力では倒すことができないのではないかと思いながらもSクラスのメンバーの前に立ち、対策を練っていた。


「まだ、魔法陣から山のような魔族が来たほうが一掃できたんだけどなぁ。この状況は予想してなかったよ。」


 ユウキは、さらっと発言する。


「いやいや、さすがに山のような魔族は対応できないよぉ~。」


 春姫は、ユウキが簡単そうに言うため手を横に振りながら、ムリムリと言っている。


「っていうか、秘書って何?」


 メルは、突然の魔族の襲来と初めて聞く言葉に戸惑った感じでユウキに聞いている。


「秘書っていうのは、なんて言えばいいのかな?側近とかと一緒で、偉い人の横にいてスケジュールの管理とか外交とかするんだよ。スケジュールっていうのは、1日の予定とかだね。」


 ユウキは、メルに丁寧に説明する。どうも、この世界には、秘書という音場はないようである。ユウキは、違和感を覚えSクラスのメンバーに何かあったら固まって戦うよう指示を出し、王宮にユキとフユを連れて転移魔法で向かった。


 応急内に入ったユウキは、すぐに王宮メイドに呼び止められ、各国の王の集まる場所へと案内された。

 セイリウス国王も、事の重大さはわかっているがどう対処すればいいのかわからず、他国の国王たちと話し合っていたが進展していなかった。


 魔王軍の魔方陣を王都に出現させてしまったり、魔族を王宮の外とはいえ接近を許してしまったことも重大事項となっているようであった。そのためか、結界を張ったオルタナス学院の学院長であるガーネット・シルバーもその席にいた。


「ユウキよ。今回の魔族は何か様子が違う。そなたも、何か奥に秘めているものがあろう。この場に同席して、何が起きているのかわかったら教えてほしい。」


 セイリウス国王も、一国を預かる国王であった。ユウキの、情報を受けさすがに転生者とまではわからないまでも通常と違うことには気づいているようであった。


「わかりました国王陛下。私に何がわかるかは分かりませんが、同席させていただきます。」


 ユウキは、国王が同席を言い出さずとも隠遁スキルを使ってでもこの部屋にはいるつもりであった。


 しばらくすると、王宮メイドに連れられて魔王軍私設秘書「ルーカス」が会食の場に姿を現した。


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