第87話 Bクラスとの最終決戦


 第87話 Bクラスとの最終決戦


 ドン・マッカーニは、姿こそは変わらなかったが、表情は邪悪そのものになり無詠唱で両手に火と氷の魔法を出し、フユとカルロスに向けて遠慮なしにどかどかとぶっ放してくる。


「火と、水魔法を同時に出せるなんって、属性無視もいいところだろう!!」


 カルロスは、かろうじて避けながら叫んでいる。フユは、剣と盾を魔法で創成して骸骨騎士の攻撃をよけながら10体すべてを相手にしていた。


「ドンっ!どうしちまったんだ!!」


 ドン・マッカーニの変化に戸惑っているカルロスは、旧友に向けての攻撃に戸惑っていた。フユは、その様子を見ながら「早く殺ってしまえばいいのに…」とボソッとつぶやいていた。


 カルロスは、攻撃をよけながら風魔法でも他者に被害の出にくい魔法を、ドン・マッカーニへ向けて放つ。被害が出にくいとはいえ、通常では体を吹き飛ばすほどの威力はある。


 しかし、ドン・マッカーニは避けようともしない。そして、魔法がドン・マッカーニの体に命中するが魔法は霧散した。


「やっぱり、お前の体はおかしい・・・。どうなっているんだ・・・?」


 ドン・マッカーニは、不敵な笑いを浮かべながら、体に力を込めていく。徐々にその体が、毛むくじゃらになり、角が生え、その口元は耳の近くまで裂け悪魔のような風貌になる。


『我は、魔王配下【ゾール】である!貴様ら将来の脅威となるものは、この場ですべて根絶やしにしてやる!!』


 カルロスは、旧友の変わり果てた姿にため息をつきながら、背中にある大刀に構えなおす。


『ガッハッハァ!!この【ゾール】様にそんなものが通用するとでも思うのか!!』


 ゾールと名乗るものに変化した、ドン・マッカーニの口から下卑た笑い声とバカにしたような言葉が発せられる。


「なら・・・食らってみろっ!!」


 カルロスは、渾身の力で【ゾール】に切りかる。その大刀に、闇属性の黒い炎がまとわりつく。ようやく本気になったカルロスにフユが属性付与をしたのであった。


 カルロスの力だけでは、弾かれてしまったであろうその切っ先は、軽々と【ゾール】に届き、黒い炎が胴体を真っ二つにする。


『グギャァァァ・・・ばっ・・・ばかなっ・・・煉獄の炎だと・・・たっ・・・魂が・・・消滅してっ・・・・グゥワッ・・・』


 黒い炎は、全てを焼き尽くしどす黒い跡が地面についているのみであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る