第52話 双子との初めての夜
第52話 双子との初めての夜
ユウキたちは、ギルドを後にして、近くの食堂でご飯を食べ宿屋へ帰っていた。ユキとフユは、生まれて初めてといっていいほどの幸福感に包まれていた。奴隷になってから、初めておいしいご飯をおなか一杯に食べ、きれいな洋服を買ってもらい、ふかふかのベッドで寝ることができたからである。
今日も、大好きなユウキと一緒にギルドまでお出かけして、ご飯も一緒に食べれて満面の笑みを浮かべながらユウキの両側から手をとつなぎギルドでの出来事を話しながら帰っている。
大通りから、少し小道を抜けようとしていると前から3人組の男たちがにやにや笑いながら近づいてくる。ユウキは『面倒なことになりそうだ』と思いながら、何事もないように通り過ぎようと思っていたが、
「「げひゃひゃ!!二人もかわいこちゃんつれて、お兄さんたち妬けちゃうなぁ!!」」
チンピラ1と2が声をそろえてやっぱり面倒なことを言い出す。チンピラ3は黙っている。
チンピラ1と2がチンピラ3に一人捕まえてこいと指示を出す。
チンピラ3が、簡単に捕まえられると踏んでユキに手を伸ばすと次の瞬間・・・
ちゅどーん!!
黒い稲妻が、チンピラ3の足元に落ち、地面をえぐり小さな石つぶてがチンピラ3に向かって飛んでいく。
後ずさりするチンピラ3を盾にして、チンピラ1と2もいつの間にか出したナイフを手に向かってこようとしたその瞬間・・・
「「「なん・・・だ・・・・???う・・・うごかねぇ・・・???」」」
3人ともその場で動かなくなってしまう。
ユウキはこの間何もしていない。まだ、ギルドに認められていないため大きな騒ぎにしたくないなと思っていたが、双子を守るためには仕方がないと思い魔法を詠唱しようとしていたのだが、双子が自分たちでしてみると言い出したため任せてみることにしたからであった。
後で聞いたのだが、双子の使った魔法は闇魔法の中でも初歩的な魔法らしく【ブラック・ライディーン】をフユが使い、怯んだすきに【闇縛り】をユキが使ったとのことだった。
雷の音に気付いた、警備隊が駆け付け3人のチンピラたちを連れて行った。
僕たちは、あとの処理を警備隊に任せて宿屋へようやく帰ることができた。
「まったくぅ~。せっかく楽しい気分だったのにぃ~!」
宿屋についてユキが、服を脱ぎながら先ほどのチンピラたちに不満を言っている。
「だよねぇ~。雷当てちゃえばよかったかなぁ!!」
フユも、同じように下着姿になり文句を言っている。
『しまった。パジャマを買ってあげるのを忘れてた。』
下着姿のまま、双子はベッドに入ってくる。当たり前のように、僕の両側に潜り込んで両腕にくっついている。二人の膨らみかけた胸とフニフニした肌の感触が両腕を伝わって流れ込んでくる。
「ちょっと・・・お二人さん。この姿勢で寝るつもり?」
僕が、恥ずかしいのと理性が押さえられなくなるのを心配して言うと、
「「あっ!ごめんなさいっ!!ユウキ様のベッドで寝ようなんておこがましすぎましたっ!床で寝ますっ!」」
ユキとフユは、慌てて僕から離れてベッドから降りようとする。
僕は、二人とも強く手を引っ張り元の位置まで引き寄せ耳元で
「そういうつもりで言ったんじゃないんだよ」
と優しくささやく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます