第33話 家庭教師 サラン・マルモット(驚愕)
魔法がかかっていくたびにその魔法の属性の色で剣が光っていき、付与された魔法文字が剣に刻まれていく。
「えっ・・・ちょっ・・・
ええええええええええええっ!!!」
サランは、丸メガネの奥の目をメガネの大きさと同じくらい大きく丸くして驚いている。
第33話 家庭教師 サラン・マルモット(驚愕)
驚くサランの目の前で
ユウキが付与していく魔法の剣が、形や大きさを変えていく。
最終的に、元の鉄の剣であったものはすでに大きさは大剣になっており
形も大きく変わり
色は赤黒く
刃の根元から見慣れない魔法文字がいくつも並ぶ
付与魔法使いとしてとても優秀であるサランも見た事のない代物が出来上がってしまう。
刀身には、【炎】【氷】【風】【土】【光】【闇】の文字が刻まれているのだが、
ユウキのイメージであるため文字が前世のままになっておりサランには読めなかった。
「こ・・・これはいったい何が起こったのでしょう・・・」
「こんなに大きく立派な・・・今まで見た事ないですぅ!!」
しばらく驚いていたサランであったが、興奮した様子で剣を手に取る。
「えっ!?
軽い・・・」
大きさは元の鉄の剣の2~3倍になっているのだが、重量は元のままなのである。
そのことに驚きつつ、サランはこの魔法付与された剣を使ってみたくなった。それくらい魅力的な輝きをしていたのである。
「ユウキ様・・・試し切りをしてもよろしいでしょうか?」
サランが物欲しそうな上目遣いで言ってくるためうなづく。
「えいっ!」
ブンッ!!
「っっっ!!??」
軽く木に向けて振った剣から、氷魔法が噴出し扇状に木々が凍り付く・・・
「これってまさか・・・その人の属性に合わせて究極魔法が放てるんですか!?」
興奮から、可愛い顔を紅潮させ唇が当たるかと思うくらいの勢いで顔を近づけて聞いてくる。
「いや・・・とりあえず教えてもらった通りにしただけだから効果とか言われても・・・」
実際、効果とかは関係なく今使える魔法を全部入れてみただけであるためユウキはよくわかっていなかったのである。
「これはすごすぎますぅ・・・やばいですぅ~!!」
「さすが私のユウキ様っ・・・」
サランは、興奮が頂点に達してしまったのか、昨夜と同じようにとろけるような表情になり芝生の上に崩れ落ちてしまう・・・。
サランが使いものにならなくなってしまって小一時間ほどたち
ようやく、サランは我に返る。
「あれ?
ユウキ様、先ほどの魔剣は・・・?」
我に返ったサランの前には、鉄の剣が一本あるだけであった。
「あぁ。さっきのはなんか作ったらまずかったかなと思って付与を取り消した。」
我に返ったばかりのサランは、僕の言葉を聞いて興奮しすぎて、言葉にならない言葉を吐きながら卒倒してしまった。
仕方がないので、授業はここまでにしてサランを抱きかかえてベッドに連れて行った。
「これは、今日も、サラン先生はお泊りコースだな・・・」
目を覚まさないサランのピンクのふわふわした髪の毛を結んであったゴムを外し、
指でときながらかわいい顔を眺めていた。
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