第26話 闇の森の惨状
第26話 闇の森の惨状
「オークたちの新しい兵器か!?」
「天変地異でこの世界は終わるのではないか!?」
王宮内は、偵察からの報告を受けたくノ一の桜・舞姫の情報からの様々な憶測も飛び交い上へ下への大騒ぎとなっていた。
桜は、王の命を受け探索大隊を組み闇の森へ進行していた。
王宮の王の間からも見える煙が、とんでもないことが起きているのは明らかであった。
数千あるいは万を超える大群になっているであろうと予測されていたオーク軍。
その上、新しい兵器や大魔導師レベルの物が生まれたとなってはすでに太刀打ちはできないが、とにかく情報がなければ何もできないため決死の覚悟で桜たちも探索に来ていた。
先日探索に来た時には、中心部から入口に向けて霧が発生し視界もあまりよくなく、どちらかといえばうすら寒い感じであったが・・・。
「あ・・・暑い・・・。」
くノ一衣装は、黒いとはいえ通気性はよく夏でもそんなに汗もかかないで済むのだが、闇の入り口に来ただけで顔や胸元が汗ばんでいる。
頬も暑さで紅潮しているため、可愛い上にエロい感じが周りの兵士たちを興奮させるに十分な状態である。
「桜様をお守りするぞ~!!」
「桜様だけは生きて返すぞ~!!」
「桜様ぁぁぁ~!!!」
なぜか興奮している、周囲の兵士たちを少し気持ち悪く感じ冷たい目で一瞥した後、森の中へ歩みを進めることにする。
「先行する!付いて来い!!」
「うぅおぉぉぉぉぉ!!!」「ついていきます!桜様~!!」「一生おそばに~!!!」「結婚してください~!!!」「下僕にしてくださ~い!!!」
掛け声に合わせて恐怖と興奮で思考回路がぶっ飛び始めている、精鋭部隊であるはずの兵士たちからよくわからない声が飛んでくる・・・。
森の中心部の砦のほうから、大きな煙が立っているためできればそこまで無事に進んでいきたいと思いながら進んでいく。
5分ほど進むと、
「こんにちわ~」
5・6歳ほどの見覚えのある少年が肩にタオルをかけ、まるで風呂上がりのような格好でニコニコとした笑顔を向けぺこりと挨拶をして通り過ぎて行った。
反射的に桜も挨拶を返し、しばらく進んではっと・・・。
「えっ・・・今こどもが通り過ぎなかった!!!???」
周りの兵隊たちも暑さやら何やらで思考回路がショート寸前であるため、ふつうーに笑顔の可愛い少年をそのまま通してしまっていた。
何が起こっているのか全く分からなくなったが、ふろ上がりのような姿をしていた理由は森の中心近くに行き理解できた。
「これは、お湯だわ・・・。」
そう、火山ができた影響で温泉が湧いていたのである。
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