第25話 やっちゃった・・・


「しまった・・・」


「これは・・・上位魔法はよっぽどのことがないと試し打ちもやめておかないと…」


 かなりやらかした感のある惨状を前に、ユウキは自分のしてしまったことを反省した。



 第25話 やっちゃった・・・



 【天地炎來】を唱えた後、数秒後にそれは起きた・・・。


 初め、強い光と暑さを感じる。


 【遠視魔法】を使用しているので、距離的には森の入り口から砦まで15~20㎞離れているので熱は感じないはず。


 しかし、大賢者装備のあほみたいなチートスキル越しでも熱を感じた。


 光は一瞬であったが、そのあとがやばかった・・・。


 砦がまるでその辺の岩のように見えるほどの大きな火柱というか、マグマ柱が起こりあっという間にオークの砦は飲み込まれる。


 火柱は5000m以上上がりそのあと地面に落ちていく。


 落ちたマグマは冷えて固まり


 少しずつ山になっていく。


 だんだん勢いがなくなり約5分ほどするとマグマは止み、モクモクと煙を上げる火山が出来上がった。


 まるで天地創成を見ているような感覚に陥る。


「すげー!」


 その光景を自分で使った魔法であることを忘れて眺めていた。


 風に流されている噴煙を見ていると、生まれ故郷の桜島を連想させ懐かしく感じていた。


 しばらくして我に返り、【遠視魔法】を解除したユウキは、


「しまった・・・」


「これは・・・上位魔法はよっぽどのことがないと試し打ちもやめておかないと…」


 かなりやらかした感のある惨状を前に、自分のしてしまったことを反省した。


 体は子供でも頭脳は大人だと信じていたが、魔法を試してみたいという欲求に駆られてしまったことは今後の行動を見直すいいきっかけになったと思う。


 一瞬で、命を絶たれたオークたちには申し訳ないが・・・。


 とりあえず、家に帰って寝ることにする。


 無尽蔵の魔力とはいえ、疲れたのか眠気が出てきた。


「おやすみなさい」


 【瞬間移動】を使用し寝ている母親の横に滑り込む。



~次の日の王宮内王の間


「ちょ・・あzつ・・もり・・・森が!!!」


 桜の配下の偵察者が、慌てふためき言葉にならない言葉を出しながら王宮に駆け込んでくる。


 桜へ報告をしようとするが言葉がうまく出てこない様子である。


「とりあえず水を飲んでっ!」


 まだ朝も早く、寝起きのままで薄いネグリジェのようなもの一枚で寝ていた姿のままであったが出たばかりであるはずの偵察がすぐに帰ってきた上に分からないことを言うため、自分の姿のことも忘れて水を汲み差し出す。


「ちょ・・あっ・・・桜様~♡」


 水を飲み少し落ち着きを取り戻した偵察者は、桜の姿を見て今度は目を♡にして鼻血を出しながら倒れてしまった。

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