第2-1話 旅程変更①
何の夢かは分からない。家族や友人がたくさん出てきたような気もする。
だが、意識が回復を始めた
感じた痛みのお陰でハッキリと意識を取り戻し、篤樹は目を開く。
バス? あ、修学旅行だった……。ん? 何で……
篤樹の目に
自分が前の座席の背もたれの
バスの「前方に落ちないように」気を付けながら、篤樹はゆっくり足を
あれ? バス、どうしたんだ?
篤樹は光が
とにかく外に出なきゃ……
最後部座席の裏によじ
ガン! ゴン!
「下」から激しい音が聞こえた次の
「……
バスの中ほど座席の
磯野真由子は椅子に座ったまま、真っ直ぐ前を見るように篤樹を見上げている。
バコン!
再び
篤樹は、自分の身体が破れたバスの後部窓から、ゆっくり車外に出ていくのを感じた。
落ちてるん……だよな?
まだこちらを見上げている真由子とは目が合ったままだ。しかし、
だがすぐにバスが篤樹に向かって
痛ッ!
車体に身体を打ちつけたショックで、篤樹は再び意識を失ってしまった―――
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
顔に
何だろう……虫……?
何だ!? 虫?
……あ、バスは?
篤樹は上半身を起こし、辺りを
そこはまるで、良く
学校の運動場くらいの広さはあるだろうか?
どこから落ちたんだろう?
今度はその場で空を見上げながら、ぐるりと木々の上の空を確認してみる。しかしそこには青い空しか見えなかった。
袖をそっとまくってみる。中に着ていたのが
傷口の表面はもう
身体全体に打ちつけたような痛みが走る。篤樹はそのまま、見える限りで
「
篤樹は大声で叫んだ。しかし辺りからは何の反応も返って来ない。
おへその
何だろう? 何だろう?……これって……何だろう?!
頭を何度も
バスは高速道路を降りて国道を通り、
篤樹は「ガバッ!」と顔を上げる。眼球を強く腕に押し当てていたせいで、目の前に丸い光の
崖は? 落ちた崖はどこだ?
篤樹はもう一度
広場を囲む木々が
……しかし、林の木々の上には「広がる空をさえぎるような
え? 俺って……事故現場から誰かに
状況が飲み込めない篤樹は、呆然としながらテレビでよく観る「ドッキリ番組」を想像した。どこかにカメラが
そりゃそうだよな……。一般人に怪我をさせるようなドッキリなんか、あるワケないもんな……。でも、じゃあ……ここは……
「誰かー! 助けてくださーい!」
大自然の中での孤独と
「ウヴォー!」
その静寂を
なんだ? あの大きな音は?
吹奏楽部の
「音」が聞こえた方角の木々が揺れ始めた。やがて「何か」がこの広場に出てこようとしているのを篤樹は感じ取る。
何だ? 大きい……
木々の間に見え
3mほどの背の高さの「巨人」……小さい頃に父さんと観たアニメなら「小型」ってサイズかもしれないけど……でもやっぱりデカイよぉ! それに服着てるし……
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