3年2組 ボクらのクエスト
カワカツ
第1章 旅立ちの日編(全62話)
プロローグ
陽の光も
くそっ! なんだよあのバケモノは! ここは……どこなんだよ!
足下の
『卒業するまで大事に着てよね! 学生服って高いんだから……』
母の言葉が頭の中に
帰ったら母さんに
篤樹は呼吸が苦しくなり、
「帰ったら」って……帰れるのかなぁ……?
不意に目の前が開けた。他の木々より
ついつい口で大きく呼吸をしてしまったせいで
ヤバイ!「ヤツ」に聞かれてしまう。呼吸を整えなきゃ……
『口で呼吸するんじゃない! 鼻で呼吸するんだ!』
メガホンを通し運動場に響く
小学生の頃には「呼吸を考えての走法」なんて聞いた事も無い篤樹たちにとって、岡部の「鼻呼吸指導」は意味不明の
自分が口で息をしてるのか、鼻で息をしてるかなんて考える余裕も無く、ただ何時間も
入学最初の記録走がほんの少し速かっただけで、篤樹はほぼ無理矢理に岡部から陸上部へ入部させられた。好きとか
しまった……。ついパニくって「口呼吸」だったせいだ。
喉の痛みをこらえ、鼻から大きく息を吸い込み、ゆっくり口と鼻から吐き出す。「ゼェゼェ」と口を開いて荒く呼吸をするよりも、
そのまま、いつでもすぐ走り出せる
大丈夫……追って来る気配はない……よし! 逃げ切れた! 陸上部なめんなよ!
静まった森の中、心臓の
小学生時代からの親友、
卓也の部屋でのやりとりを思い出す―――最新型のゲーム機もある卓也の家は絶好のたまり場になっている。シューティング系ゲームで
『篤樹はRPGやんないの?』
『え? だってRPGって面倒じゃん! 色々考えなきゃいかんし。考えるの
ベッドに
『RPGのストーリーも楽しめると思うけどなぁ……』
そうは言っても好き・嫌いは好みの問題だからなぁ……。RPGみたいな戦略系って気持ちが入る前にあきちゃうんだよなぁ……
つい2日前の出来事……修学旅行準備のため、部活も休みになった機会に卓也の家で久し振りに集合した放課後の記憶……クラスメイトの
篤樹は卓也の部屋を思い出していた。
テレビ台の横に、山のように
その中の一冊の表紙を篤樹は思い出す。とにかくグロテスクに
やっぱり「アイツ」って……「アレ」だよなぁ……
振り向くとそこに「ソイツ」は立っていた。グロテスクに崩れた顔からは
え? やっぱり「コイツ」って……あのハンマーで俺を
完全に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます