第2話 きっかけ

くる日もくる日も情報収集

けど何にも出てこない


むしろ、妹思いの兄貴という

見方しかできないくらいだった


だんだんムカついてきた

兄貴に対してなのか

自分になのか

わからなくなってきた


モヤモヤしたまま翌日

登校中に、あの人に会った


「おっ?久しぶりだな

 相変わらず、兄貴よりクールだよな

 俺は、兄貴より

 接しやすくていんだけどな」


この人だけは、愛想よく笑えない事を

とやかく言う事もないし

むしろ接しやすいとすら言ってくれる


「お久しぶりです。史也さん

 いつも兄がお世話になっています」


そう言って、立ち去ろうとすると


「まぁ、歩きながら話そや少し」


立ち去れなかった。

ちょっとイラっとするが

お構いなしに話を続けてくる


「そうカリカリするなよ

 あ。そういや、弱みは握れそうか?

 きっと出てこないと思うがな

 おまえの兄貴は、意外とシスコン

 だからな」


ますますイライラしてきた

見透かした様に言いやがって

それに兄貴がシスコンだって?

笑わせてくれる

僕に優しくもないし

基本的に話さないのに

いや


「シスコンは、兄貴より史也さんですよ」


少しだけ笑いながら口に出してた


「シスコンで多いに結構(笑)

 まぁ、気の済むまで頑張れ」


そう言い残して学校に向かう史也さん


そして

僕の中で何かが込み上げてくる

のがわかる






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