淡水色の春、無残に壊されて。【上】
まず初めに、僕の事について話させてもらおう。
僕は昔、血を吐いた。真っ赤な真っ赤な鮮血を。すぐさま入院し、主治医が告げたのは「肺結核」という病名だった。当時小学六年生であった僕には、そんな重い事実は受け止め切れなかった。何度も、何度も連呼した。“嫌だ”と。やがてそんな言葉にも飽きて、静かになっていったのだが。
そんな
時は経ち、6年後の今。小学校の頃に暗い過去を背負った僕も、さて受験に急き立てられる1年が始まる、という所に差し掛かった。あの後、中学では肺結核の経過観察などで忙しい時もあったが、勉強にその身を急き立てそこそこの高校に入る事が出来た。なんとか青春は掴み取れた。文芸部の仲間達とも楽しく過ごせている。その他にも勉強に、そしてちょっとばかし恋愛に。
初秋の
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