薄桃色の心、白く散って。【下】

と、まあ。これが僕の趣味、僕の暴言、僕の恋愛について影響を与えた菊水ほのかさんのお話だ。




最後に、もう少しだけ書かせて欲しい。菊水ほのかさんへ向けて。


まず始めに、生き返れ。そして次に、死ね。こんな暴言を、今だけ特別に言わせてもらう。なんたって、なんで君は僕に病気を教えてくれなかったんだい?バカな当時の僕だってそこまで極まってないぞ。言ってくれればもっと時間を大事に使ったしもっとよく君を見たしもっと心の準備ができた。むしろ、好きになる事は無かったろうから、傷つかなかった。さて、今、僕は小説家、なんて称して色んな物語を書いている。中には大事な人物が死んでしまう物語もあれば、もっと質が悪い結末だってある。憂鬱な結末だって作った。そして、僕の作品にはバッドエンドが多い。それは、君を失った経験のおかげか、バッドエンドを書くと仕上がりが良いんだよ。やはり、独特の経験を持ってるからなのかな。そして、登場人物が死ぬ物語において、僕は死人を大事に扱い、多くの言葉で語る。やはり、死人をぞんざいに扱ってはいけないからね。そして、今小説を書いている理由なんだけど、これまた君に影響されたんじゃないかな。君のお陰で小説を好きになり。そして今、書くことも好きになっている。それは、小説を書いていれば 、上の方でも君につたわってもらえるんじゃないかなと。僕の小説は何点ですか?いや、何点でもいい。マイナス50,000点でも構わないぞ。悲しいけど。何点でも構わない、ていうのは、僕にとって上と下を繋ぐものが小説だから。不格好な橋だってしっかり作られてあれば対岸に渡れる。僕は橋をしっかり作っているつもりだ。


最後に、だ。出来るなら、僕を連れて本屋に行った時、あの時の小説の題を教えてくれないかい?君がハルキストかどうか···はどうでもいいけれど、どんな小説が好きなのかなと。教えてくれたら作風を似せてみようか?いや、やめようか。他人の真似事なんかしちゃ怒るか?君は。




もう少し、なんて言ったのに、長くなってしまった。では、今度こそ、おしまい。

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