九月の出来事 夜の帰り道
「ピーッ」
というホイッスルの音。
直後に聞こえた子どもたちの話し声に、ドキッとする。それらは近くの小学校から聞こえたのだが、今聞こえるのはおかしい。
最近は日が沈むのが早いため、空はもう真っ暗になっている。
職場から自宅に帰るために近所を歩いていたら、起こったのがさっきの出来事だ。鞄から携帯を取り出し時刻を確認すると、19時をいくらか過ぎている。
そして、第一なによりも、校門から見えるグラウンドには誰一人いない。こんな時間に子どもたちの声が聞こえるなんて。
聞き間違いかと思い、学校を囲んでいる塀伝いに歩みを進める。
体育館に近付くと、再び声が聞こえた。体育館に明かりが点いていることも確認できる。
さらに近付くと、体育館の非常口が開いていた。
体育館を見てみる。
すると、女子小学生が集まってバスケをしている姿が見えた。付き添いの保護者らしき大人が座っている姿も。
さっきのはなんてことはない、ミニバスを習っている子たちの声だったのだ。安心しながらも、自分の臆病さを自覚した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます