本庄と二年生
こないだ一年生の進級の話をやったので、次は二年生である。
実は一番進級がやばかったのが、二年から三年に上がる過程だ。二年生、とにかく試験科目が多かったのである。
いやいや、試験科目なんかどの学年もそんなに変わらないでしょ、と思うかもしれない。だが、二年生の怖いところは、「本試験細分化」という恐怖のシステムが構築されているところである。
本試験細分化とは、通常は学期末に行われる本試験を、いくつにも分けて試験するという制度である。これは本来は先生の温情で、「広い範囲を一度に試験したらみんな勉強大変だよね。だから本試験を細分化した方が勉強しやすいよね」という意味を持っているのである。
だからって一つの科目で本試験を9回もやらんでええねん!
(※うち4つ落ちました)
前期と後期の2回、せいぜいそれをさらに中間期末に分けて4回で良かったやろ!?
本試験の数が増えるということは、再試験の数も増えるということである。えっ、落ちるな? そんな話はしてませ〜ん。
しかも、細分化という素晴らしい(そんなに素晴らしいか?)手法が開発されると、うちもうちもと真似をして全科目でやりおる。
そんなことしたら、一年中試験期間になるやろが〜〜〜!!
本庄の場合は、一年中試験期間の上に一年中再試期間である。地獄である。実際、マジモンの地獄だった。
先日も言ったが、うちの大学は先生がコミュ障なのか、教室間の意思疎通が非常に雑である。おかげで、本試験の3日後に別の本試験があるとかザラで、ひでぇ時になると同じに日に試験を入れようとして、学生からその日は別の試験があると教えられて日を変えるとかある。
細分化の真似はやるくせに、そこらへんは意思疎通しない。どっちかにせい。
さすがに2年次にはかなりの人数が落ちた。進級判定が発表される日には祈りに祈りを捧げ、イスラム教信者でもないのにお祈り方法を調べて家で祈っていた本庄だが、なんとか進級できた。万歳。
進級めっちゃ大変なんですよ(※勉強していないやつだけです。普通の人間は進級できます)、っていう話を3年になってからボスにした。このボス、先日話した通り、次の学年から他大に行くおじさんのことである。
「ああ、君が本庄ね。進級会議で名前が出てたから名前だけ知ってたけど、君成績悪いなぁ〜」
直球。ストレート。150キロ。あんた野球部で4番ファーストだったって言ってたけど、ピッチャーやった方がいいよ。
「なんで先生が本庄の名前知ってるんです?」
「進級会議おったもん」
「じゃあ先生、本庄が進級するかどうか知ってたってことですか?」
「俺、一週間前から知ってたで。進級判定はもう終わってんのに祈る姿がおもろいから、ずっと言わんかったけどな」
なんだよ。恥晒しただけじゃん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます