果たして、大学生活はモラトリアムなのか否か。

本庄と天気の子

　うちの大学には一人の天気の子がいる。といっても晴れにはできない。猛烈な雨男だ。我々も一応は理系の民なので、晴男雨男という非科学的な概念を盲信するわけにもいかないのだが、実際に猛烈な雨男なので、オカルトだと思いながらも信じている。

　奴が遊ぶ予定を入れるとだいたい雨が降る。泊まりの旅行だと最高で、じゃなくて最悪で、まず間違いなく雨が降る。下手すりゃ台風で、しかも毎回彼の旅行先にピンポイントで直撃する(奴は金持ちなので、めっちゃ旅行する)。

　沖縄旅行だったら沖縄、長野だったら長野、台湾に直撃したこともあるらしい。……台湾はすげぇな。

　ここまでピンポイントで当てる能力があるのだからオカルティックでも信じざるを得ない。

　……これを書いている間にも彼は旅行の計画を立てていたのだが、台風決行と息巻いていた彼は、巨大台風の接近で旅行先からキャンセルの電話が来たらしい。

　もうお前は夏に旅行するな。

　ツイ廃の彼は、よく旅行に台風が重なることにキレている。毎回毎回キレて飽きないのかと思ったら、最近は開き直って旅行を決行しようとしている。死んだら困るからやめてくれ。

　ちなみに彼は一度、留年しかけて旅行をドタキャンしたのだが、彼のいない旅行は空が非常に青かった。

　先日、台風が来た時、当然彼は家に引きこもっていた(そして台風は逸れて被害はあまりなかった)のだが、被害が少ないからといって外でカップルがイチャイチャしだしたりすると「俺が外に出たるわ、お前ら雨に降られろ」と、こうなる。

　雨男はそのスキルを脅迫に使えるのだ。こんな奴が天気の子のスキルを得てみろ、世の中が破滅する(天気の子見てないけど)。

　なんで本庄が天気の子を見ていないか、それはど田舎で映画を見るのがいかに大変か、それに尽きる。映画については、また今度書いとこうと思う。

　あ、彼は天気の子を見に行ったそうです。俺の逆や、って言うてました。