僕のやる気スイッチ
きのこ
第1話
僕の背中には、"やる気スイッチ"がついている。
と、言っても「やる気」というよりは「暴走」スイッチなのだが、とにかくこいつを押すとすごい事になる。
例としてあげると、そう、あれは三年前、僕が小学五年の頃だった。
今まで一度たりとも押さなかった"やる気スイッチ"を弟が間違えて押してしまったのだ。
「あーっ!」
宙を舞うアイスクリーム。「カチッ」といい音のした僕の背中。
…押して、しまったーー。
「う、うぅ…ウヴァアア!!」
「に、兄ちゃん!?」
ここからの記憶が、ない。ここからはその弟から聞いた話だが、どうやら暴走し、部屋の中をむちゃくちゃにしたらしい。確かに意識が戻った時の部屋の中は大変だった。
余談だが、なぜこいつを"やる気スイッチ"と呼ぶのか説明しよう。
まず爆弾のスイッチのように四角い枠がある。その中に赤い、いかにもボタンのようなボタンがついている。
これだけだと"爆弾スイッチ"とか、"暴走スイッチ"とかで呼んでもでもいいだろう。しかし、問題は他にある。四角い枠の部分に、『やる気!』と書いてあるのだ。
これじゃあ"やる気スイッチ"と呼ぶしかない。と、いうことでそう呼んでいる。
話を戻す。まぁとにかくそいつを押すとすごいことが分かっただろう。
他にも、友達に押されたり、先輩に
「頑張れよ!」
と言われた時に背中を叩かれ、押されてしまったり…
最近では鎮静剤を常備するまでになってしまった。
僕は、これからもずっとこいつと共にいきなけばならない。キツイ人生になりそうだが、頑張ろう。…ゔ っ……じまっだ…うっがり、壁にぜながをぶづげて…
またやってしまった。
僕のやる気スイッチ きのこ @mushroomdayo
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