お兄ちゃん2

まきもの

第1話

[…俺がチャンスを作ってやる無駄にするなよ…]



ガハッ



「またあの夢…何度目なんだろう…」


私、小山 美由(コヤマ ミユ)高一、15歳

たこ焼きに目がないあとお兄ちゃんにも(笑)


「お~い美由起きてるか? 早く飯食えよ」



「起きてるよすぐいくぅ~マキ兄」


マキ兄…小山 真樹(コヤマ マサキ)高一、15歳 私の双子の兄 すぐ不良とケンカしてくる

よく間違われる


「美由…ちゃんと、アレで行けよ?」


「アレね…わかってるわよ」


アレ…ウイッグ 付けてないとすぐマキ兄に間違えられて絡まれる何故かスカートはいてても間違えられ絡まれる


「ってヤバい時間がない柚利仔と待ち合わせしてたんだ」


慌ただしく支度して待ち合わせ場所に向かう


マキ兄は呆れてみてた


柚利仔…七瀬柚利仔(ナナセ ユリコ)高一、16歳

私の心友 中学からの仲良し 柚利仔にはお兄さんが二人居て一人はとっつきやすい人でもう一人は会ったことがない

柚利仔は その内出ぐわす って言ってた


「あ。美由遅いぞ! ほら行くぞ」


ごめんごめんって言いながら学校に向かう


「ねぇ柚利仔のお兄さんって一個上なんだよね? 会ったことがない方の人」



「うんそうだけど気になってるのか?」


ニヤニヤしながら言う柚利仔


「気になるって言うか何というか…柚利仔がさ"その内出ぐわす"って言ってたからさなんかね…」


はぎれの悪い言い方をする私


「あぁ だって同じ学校に入るんだもんまあ兄さんは中学からこの学校だったけどね」


私達の通う学校は中高一貫校なのだ

でも私と柚利仔は中学からははいれなかったけどね落ちたから

だから入れたのはある種奇跡的


「なんと?! ニハハ」


「フフッわかりやすいな あ。今日私の入ってる部に顔出す言ってたわそういや」



「本当に? あれ柚利仔の部って確かクッキングだよね? お兄さんって確か運動部でなかったけ?」


「何か先輩に頼まれたらしく…昨日ね」


"お前(柚利仔)明日部活あるよな?"


"あるけど何?"


"ちょっとな先輩に頼まれたから顔出すわ"


"ふ~んそうなんだ…先輩ってあの先輩?"


"うんそうだけど…はぁ…憂鬱だな"


「いやいやなのねお兄さん

…ってかさあの先輩って誰?」



「美由は知らなくていいし

関わらない方がいいわよ。

関わりでもしたらあなたのお兄さんが…」


「俺が何? っか美由の方が

先に出てるのになんで追いつくんだ?」


「噂をすればなんとやらだな」


「マキ兄走って来たでしょう?

…ってことは…」


「(遅刻)ギリギリだな」


三人は走りだした


「で、ユーコさっきの話の続きは?」


ユーコ…柚利仔のあだ名


「あぁ…あの先輩に美由が

もし関わったらマーちゃんが

黙ってないって話」


「あの先輩ってアイツの事か?」


「そうそうアイツの事」


「美由絶対関わるなよアイツとは」


「だから誰なのよ? アイツって」


二人で解っちゃってついてけないよ


「じゃ知らなくていい」

「じゃ知らなくていいわ」


ハモってるし…


そうこうしてるまに学校についた

私と柚利仔は同じクラスで

マキ兄は別のクラスで隣


「ねぇ柚利仔…やっぱり知りたいよ

あの先輩って人? でないと

関わらないようになんてできないよ…」


「それもそうねじゃ簡単に説明するわ

名前は伊野田諭支侘、三年生、

学校を牛耳ってるわけでもなく

リーダー体質ってわけでもないのに

大抵の人は恐れてるの…

ちょっと問題ありな

脅し? 方してくるみたいなのよ

…まあこんな感じの人」


「聞いてるだけで最悪な人ね…

わかった関わらないようにする」


顔わかんないけど気をつければ大丈夫よね…


「うんそうした方がいいわ」


キーンコンカンコン


「あ。チャイムだ一時間目って

国語だ…ハゲだよハゲ最悪」



ハゲ…国語の先生 55歳らしい

名前は背田国重(ハイダ クニシゲ)

だからハゲ 別にハゲてるわけでわない


「さぁ席に付け。授業を始めるぞ」


ハゲが喋りだしたが

難しくてわかんないだから

聞いてるフリして眠る私

気がつけば終わってた


「今日はここまで、

今日したところはキッチリ覚えとけよ」


ヤバい聞いてなかったわどうしよう…

まいっかいつものことだし

それより二時間目は生物だやった~


「美由…寝てたでしょー?

ハゲの授業は常に寝てるよね?

だから成績ヤバいんじゃんないの?」


「うっ…イタイとこ言うのね柚利仔…」


だって本当のことじゃん

って笑ってる柚利仔…うっ~

事実だけど…

また怒られちゃうよ~

ユキお兄ちゃんに(泣)



ユキお兄ちゃん…山川靖由紀(ヤマカワ ヤスユキ)私の家庭教、大学生21歳 でもなかなか真面目に勉強を見てくれない そしてエロイかも(エロイのはマキ兄には秘密)


っていろいろ考えてたら

昼休みになってるよ~(泣)


「美由…もう何トリップしてるの?

ご飯食べるよ」


「うに…」


はぁ…何かもうやだわ…

でもご飯は美味しいな


「美由って美味しそうに食べるよね。

あ。兄さんだ」


「えっどこ?」


ウキウキしながら

キョロキョロする私


「中庭のとこ」


「うに~あ。見つけた。

似てるね何か七瀬さんに」


七瀬さん…七瀬行矩(ナナセ ユキノリ)

柚利仔の一番上のお兄さん。

社会人20歳 柚利仔と知り合う前に

知り合ったけっこう仲良く? してくれた


「まあ兄弟だからな…

兄さんが聞いたら

不機嫌になりそうだな」


「仲悪いの?」


「うんまあ不仲ではあるかな…」


「そうなんだ。

でも七瀬さんより断然格好いいし

スラッとしてるね」


何かいいかも と密かに思う私


「そりゃね行矩兄さんよか

スタイルはいいとは思うわ

そして優しいのよね兄さんは」



「そうなの? 何か間近で益々

見たくなっちゃったわ先輩のこと」


「やめておいた方がいいわよ(ボソ)」


「今、何か言った?」


「いや…何も」


絶対何か言ったのに

ごまかしたな柚利仔ったら


「そんなことより

もう昼休み終わるわよ?

さぁ席に戻ろね? 美由」


「もう席居るし…隣じゃんか席…」


「あはそうだったわね」


変なん柚利仔何かあるのかな…


そして授業が始まった

柚利仔が気になって上の空な私


授業も終わり放課後


「さて部活行くかな 美由も来るよね?」


「うん行く(ニコ)」


授業が終わっていつもの柚利仔に戻ってた


私は部員で無いけどよく

柚利仔の部活に参加してる


「今日は部長が参加する日だから

楽しいはずよ…多分」


部長は三年生らしく

受験生だから

毎日は参加しないらしい(週2回)


「多分って…今日初めて会うから

ちょっと楽しみかも」


ウキウキの私とちょっと不安げな柚利仔


ガラッ


「失礼しま~す」

「失礼します。あ。部長一人ですか?」


「うん。まだみんな(部員)来てないのよ

…あら! 可愛い娘が居るじゃんないの。

あ。もしかしてこの娘が言ってた

お友達かな? ユーコちゃん」


「はい。そうです。りなのちゃん」


「あ。初めまして、

小山美由って言います。

よろしくお願いします。部長さん」


「こちらこそよろしくね

美由ちゃん(ニコ)

私は福山莉菜乃(フクヤマ リナノ)。

呼び方は好きに呼んで良いからね。

"部長さん"とか以外なら」


福山莉菜乃…三年生 18歳

クッキング部の部長

可愛い物と可愛い女の子に目がない

大学生のお兄さんと中学生の妹さんが居るみたい


「じゃフクちゃんで。しかし美人ですね」


「お世辞言っちゃってくれてまあ」


バシバシ


痛い痛いですフクちゃん


「あ。そうだりなのちゃん…」


コンコン

ガラッ


「失礼します。」


タイミングよく男の人が来た


「あ。兄さん」


「七瀬君が…

来たと言うことは

…またですか?」


「そうなりますかね

…俺も福山先輩もというか

みんな憂鬱になりますよ…

あの先輩のおかげで…」


七瀬先輩が来たとたん空気が変わった


ガラッ


「七瀬、忘れ物だ。

ほらよ。じゃな先行ってる」


「サンキュ…ー三好」


そう言って七瀬先輩に

手紙を渡して去ってた

三好という男の人


「三好善樹(ミヨシ ヨシキ)先輩

って言って兄さんのお友達なのよ」


三好先輩…七瀬先輩の同級生

同じクラス 同じ部活 サッカー部


更に空気が重くなった


「七瀬君その手紙

さっさと読んで

捨てちゃいましょうよ」


「そうですね…はいどうぞ福山先輩」


フクちゃんは

手紙を受け取り読み出した

読んでく内に表情が…

怒りに変わりだした


「今回はなんて書いてたんです?

りなのちゃん」


「読むに耐えない内容だったわ…」


「福山先輩…大丈夫ですか?」


「大丈夫よ…七瀬君すぐ

返事書くからごめんだけど

頼めるかなまた」


「わかりました」


フクちゃんはそう言って書き出した

書き終わり七瀬先輩に託した

七瀬先輩は部活に行った


「さぁ気分を変えて

美味しいもの作ろうかね。

もうみんな(部員)来ると思うし」


「そうだねりなのちゃん。

今日は何作るの?」


「えっとね今日ね…」


少し空気が澄んできた

ゾロゾロと部員達も来た

和気藹々と作り出した


しかし何で律儀に返事書いてるのだろう


「さぁ美味しく作れたし

みんな帰りましょう」


みな帰りだした


「ねぇ…フクちゃん…何で律儀なの?」


疑問に思い聞いてみた


「えっ…あぁ…ちょっとね」


言いづらそうに口ごもるフクちゃん


「美由…そんなことより

兄さんのこと知りたくない?

名前とかいろいろ」


「うん。知りたい教えて」


疑問に思いつつ深く

つっこまないでおこうと思った。

聞いちゃいけない雰囲気だった

それより柚利仔の

お兄さんの方が気になった


七瀬平良(ナナセ タイラ)

高二 17歳 サッカー部に所属していて

優しくて真面目ででも

普通の高校生男子って感じ

あと眼鏡が似合うと思うのよね~

店で働いて欲しいな…なんてね

あぁ店って言うのはね今度説明するね


この時すでにフクちゃんは帰ってます


「平良って言うのか何か

イメージと違ったわ」


「そうよね。純とか隼人って感じなのよな」


「そうそうそんな感じの名前っぽい後は…」「昴って名前っぽい?」


「そうそうよくわかったね流石は心友」


「何年の付き合いよ(笑)」


二人して笑って帰った


〔へへ~アレかけっこう

可愛いじゃないかフフッ〕


ゾクッ


「なっ…何? 今の感じ」


私は気づいていなかった…

数日後に迫り来る恐怖を…


次の日


「柚利仔昨日帰りにね

ゾクッってしたの」


「えっ? 美由もなの?

実は私もなんだよね…」


怖いね…って言いながら

ウダウダしゃべってた


何事もなく放課後になった


「じゃね美由また明日ね」


「うん。また明日ね。部活頑張ってね」


柚利仔はにこやかに

手を振りながら部活に行った


「さぁて私も帰るかな」


「美由帰るぞ!!」


「マキ兄? 珍しいね? 部活ないの?」


何か嬉しいんだけどいいのかな?


「部活なんてしてられっか

…とりあえずお前(美由)が

無事に家に帰るまではな…

ほら行くぞ」


「う…うん」


何かいつものマキ兄じゃないみたい…

帰りながらブツブツ言ってたし


(ここからちょっと真樹視点)


「クソッなんて事だアイツに目を付けられるとはしかも美由とユーコ何で身内なんだよ…」


俺達とユーコとは親戚だ。

俺達のじいちゃんとユーコのばあちゃんが

姉弟なのだ。

美由はわかってないみたいだけど


「何かあったら絶対アイツ殴ってやる」


俺は急いで美由の教室に行った


「美由帰るぞ!!」


美由は不思議そうにでも

嬉しそうな顔で俺に聞いてきた


「マキ兄? 珍しいね? 部活ないの?」


「部活なんてしてられっか…

とりあえずお前(美由)が

無事に家に帰るまではな…

ほら行くぞ」


「う…うん」


美由は不思議そうについてきた

本当に部活所ではない

アイツが何してくるか

わかったもんじゃないしな…

部活の方は後で亜由夢先輩に

説明すりゃなんとかなるだろ

二年生だけど部長だしな…

まあユーコの方は部活あるしそれに

平良先輩が居てくれるから大丈夫だろ…


亜由夢先輩…山川亜由夢(ヤマカワ アユム)

高二 16歳 剣道部の先輩

可愛い人です 実は親戚

亜由夢先輩のお兄さんは

美由の家庭教(エロイらしいけど)


「福山先輩だけでなく

美由達にまで…アンナ奴に

好き勝手されてたまるかだ…

俺を怒らしたらどうなるか覚えとけよ…」


独り言のようにつぶやきながら

キョロキョロする見る限り

居なさそうだし無事家についたしいいか


(ここからは再び美由視点)


「マキ兄何かいつもと

違うね? 何か怖いよ?」


「別にそんなことないぞ。

美由いいか!? 絶対一人で出歩くなよ?

つうか家からでるなよ?

お兄ちゃん心配だから…

じゃ俺は部活行くからな」


そう言って部活に行ったマキ兄


「てか何で出歩いたら

ダメ何だろう~?

うーんわかんないけど

大人しくしてよっと」


大人しく部屋でテレビを見ることにした


二、三時間経った姉さんが

仕事から帰ってきた


姉さん…小山美巳(コヤマ ミミ)

社会人24歳 すこく美人さん

兄弟の中で一番頭がよく

エリート道まっしぐら

彼氏が居る


「お帰りなさい姉さん。

今日は早いんだね」


「あうん今日は逢わない日だから…

じゃご飯の支度するね」


姉さんのご飯はとっても美味しい。

母のご飯より断然美味しい。

母は店が忙しくあまり家には居ない。

父も仕事人間で家には居ない…

本当はよそで愛人と生活してるみたい…


母の店は昼間はカフェで

夜はバーになるの

土日祝日限定で昼間のカフェは

私好みのカフェになるのその名も…


"ONIICHAN'S"


我ながらナイスな

ネイミングだと思うのよね~

だからたまに手伝ってるの~

とっても幸せな一時なのよ

だってどこをみても

"ONIICHAN"しか居ないのだから

ちなみに "ONIICHAN'S"の

従業員は私が決めてるの(うふふ)


実は柚利仔の一番上のお兄さん、

一時"ONIICHAN'S"で

バイトしてたのよ

けっこう評判良かったのよ


『美由ご飯できたわよ』


「は~い今行く」


「今日はグラタンよ。

美由のだけエビ抜きだから」


「グラタン…でもエビ抜きだからいいか」


私はエビが嫌いだ。

私のおじいちゃんの

お姉さんはエビに目がないって

聞いたことがある…


滝真妃(タキ マキ)

エビグラタンとエビに怖いくらい

目がなくおじいちゃんも

そのお兄さんもおばあちゃんも

引いてたって言ってたかな

どんだけエビ好きなのよ…

って私もたこ焼きには

かなり目がないけど…

(遺伝なのかな…

おじいちゃんのお姉さんも

主役だったし…)


「ごちそうさま。

さてお風呂入って寝ようと」


ちょうどそこに…


「ただいま」


「おかえりーマキ兄、

何か暗くない?」


「そんなことないぞ。」


明るく言ってるけど私には

何か隠してるようにしか見えない


じと~


「なっ…何だよ? 美由…」


「明らかに何か隠してるようにしか

見えないだけど?

私これでもマキ兄の考えてること

解るんだからね!!」


双子だからなのかよく

マキ兄の考えが解る時がある。

ピンチになるとすぐ解るし


「ほっ…本当何も無いってな?

さっさと風呂入って寝ろよ?

明日は一緒に登校してやるからさぁ

それに平良先輩も一緒だぞ!

だから早く寝ろよ! いいな」


そう言ってごまかしたマキ兄

でも七瀬先輩と一緒に

学校行けるのは嬉しいかも


チャラニャラン~♪(←仮)


「この曲はアレだ!!

ユキお兄ちゃんからのメールだ」


〔よう美由元気してるか?

何かいい事あったか?

そうそう来週行くからな家庭教に。

覚悟しておけよ(笑)

靖由紀〕


「なっ…何なのよ…

覚悟しておけよ(笑)って…

もうユキお兄ちゃんのバカ ウウッ」


何でユキお兄ちゃんの言葉は

エロく聞こえるんだろ…

エロいと思うからエロいのかな…

とりあえず返事しなきゃ


〔ユキお兄ちゃんだ♥

うんわりと元気だよ。

最近…良いことあったかも(笑)

ってか覚悟って何なのさ?

美由〕


「送信っと…でも内容はともかく

嬉しいかもユキお兄ちゃんからの

連絡ってうふふ。

さてお風呂入って本当に寝ようと」


私はお風呂に入った。

入ってる間にユキお兄ちゃんから

メールが来ていたのだが

余りにも恥ずかしいので

お見せできません(笑)


そして眠りについた。

またあの夢を見ながら


"「俺がチャンスを作ってやる。

無駄にするなよ?

一度キリだからな…」"

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