【叛逆のリアライズ】https://www.Re@LiZE.neet【顕現せしリベリオン】
綾瀬アヤト
/Narrative.1【顕現せしリベリオン】編(上)
【Open】私たちはVR世界で出逢い、現実へ叛旗を翻す比翼連理である
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HELLO、《
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戦場さながらの此処は打ち捨てられた廃村だろうか? 暮らす人無き静けさの中で、銃撃の音ばかりが響き渡る。
――件のスポットは廃屋建ち並ぶ一区画。
茂みの向こう側より放たれるアサルトライフルの弾丸たちは、建屋の壁へと雑に収束してゆく。
……この攻撃は壁面裏へ身を潜める、二つの人影を狙ったモノであった。
影のうち、一人は背の高い金髪の男性。
左右二挺のハンドガンを構えて黒いコートを羽織る彼は、隣に寄り添うもう一名――セクシーな白色ベースのコスチュームに身を包んだ女性へ声を掛けた。
「ボチボチ向こうは連携が乱れてきたね……んじゃココは、俺の必殺『ファントムブレイカー』で一気に攻め込もうじゃないの!」
「その『ファントムなんとか』って技名、誰も呼んでませんよね?」
言われ慌てる男性。
対しその彼の反応を見て、クスッと控えめに笑う女性。
……
「ちょっ!? せめて『アルマ』だけは頼むよぉーっ!」
「ふふっ。……では無傷で私を向こう側へエスコート出来たら、私だけでも呼んであげますね?」
「まぁまぁキツい目標だなぁ……でも、やるしかっ!」
「決まりましたね。では任せましたよ、
「ソコは王子様でしょ!?」
二人は顔を一瞬綻ばせながら視線でサインを交わし、物陰から一気に躍り出た。
「さぁー、叛逆開始だっ!」
「はいっ! 前に出ますね……出て、≪フラベルム≫ッ!」
先を駆ける『アルマ』と呼ばれた長身の女性は、美しくも長い白銀色の髪を揺らしながら≪音声コマンド≫をコール。直後に右腕より一刀、両脚より二刀の蒼く輝く刃を、まるで四肢より
一見大人びた美人系の顔立ちに、瞳には
対する敵二名からはライフルの弾丸が幾重にも放たれ、アルマへとスコールのように降り注ぐ――が、その弾丸が彼女へ届く事は無い。
後方を追従する男性が手に握り締める二挺拳銃のトリガーを絞る度、放たれた弾丸同士が全てぶつかり合っては光の粒子を纏いながら打ち消していく。
これこそ彼が『ファントムブレイカー』と呼称する攻撃無効化の技術であった。
「流石『リーゼ』さんですね。合格ですよ」
「ふぃー……ウチのお姫様は厳しくて男前なことで」
「それですと、お姫様が二人になっちゃいません?」
「……ソウデスネ」
呑気な会話をする二人に対し、自分らの攻撃が掻き消された事に浮足立つ敵陣営。
その間隙を衝いて相手方の懐へ踏み込んだアルマは、舞う様に四肢一体の光刃を二度・三度と振るうと、凶弾の射手ら二名は反撃する間もなく一瞬の内に屠られ、戦闘は終結した。
直後、彼らの勝利を祝うファンファーレが廃村に鳴り響く。
手を重ね、互いを称え合う男女二人。
――実際に敵を仕留めたのはアルマであるものの、この戦いの密かな立役者は、銃弾を以て銃弾を撃ち落とす……という空想の様な所業を具現化して見せた『リーゼ』と呼ばれた男性だ。
だが此処はVR内の仮想世界であり、リーゼと云うのは彼のアバター名。
未だ学生に見えるほどの若く可愛らしいルックスではあるが、独身で恋人ナシ。友人とも疎遠になりゼロと言ってもいいだろう。
彼女には、一度見た場面を完全に映像として記憶する『完全記憶』の能力と、幾つもの事象を同時に高速演算できる『並列思考』能力を持っていた。
これだけなら恵まれたようにも思える彼女……だが、二十年前に起きた
……気付けば折角の能力を持ち腐らせた立派な喪女となっていた。
こんな年代も背景も全く異なる彼女たちは仮想世界のアバターで出逢い、VRという戦場で手を取り合って戦い抜き――そして何時しか現実でも、彼女らの未来は一つの
憂いも喜びも……全てはココ、フルダイブ型対戦VRゲーム《
「さぁ行こうか――俺たちの世界へっ!」
「はいっ!」
▸▸ 1st Season 【Re:BELLION】 OPEN.
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【ご挨拶】
純粋にアツくなった思い出のゲームが、皆様もいっぱいあるかと存じます。
もし未来に生まれていたら、どんなゲームに熱くなっているだろう……そんな気持ちで書き始めた作品です。
オープニングへのご来訪、ありがとうございました。
是非、引き続きもお楽しみいただけますと嬉しいです。
筆に力を込めて、頑張らせていただきます!
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