独。

@marin79

第1話

「いいなぁ、彼女には友達がいて。」

夜空に呟く。考えるほど、夜より深く落ちていく。いつからこんな失敗をしたのだろう。いつから友達は私から離れていったのだろう。彼女のような「青春」を送りたかっただけ。彼女は移動教室で友達と仲を深めていったのに、私は虚しい思いをしただけ。

「ねぇ、

「あ!!!!写真とろ!!」

「あのさ、

「ねー聞いてよー、隣のクラスのあいつさー」

「私ね、

「一緒に帰ろ!!」

君は人気者だから仕方ないのかな。でも、私にとっての友達は君しかいないんだよ。作ろうとしてもどこかに行ってしまうんだよ。

 独が私の心を侵食していく。独に体が支配され、私は私自身を失っていく。

『でも、言ったよね君。』

どこからか声がした。

『一人がいいって言ったよね。』

確かにそうだ。そうだった。一人を望んだのは私だ。独を飲み自殺しようとしたのは私だ。

『なのに友達がほしいだなんて。』

なのに友達がほしいだなんて。

「まるで、わがままな子供だね。」

まるで、わがままな子供だね。ちがう、そうじゃない、私が一人を望んだのは、望んだのは、望んだのは…!!!

『助けてほしかったから。だろう?』

そうだよ、そうだよ。哀れな私を見た君が、話しかけてくれると思った。だけど、現実と理想は違う。みんな、自分の友達でお腹いっぱいだから。私は、私の友達で腹を満たさなきゃ。自分を閉ざしていちゃ、変われないじゃないか。ずっと自分を閉ざしていたら、開けようとする人も諦めてしまうじゃないか。

 変わらないと。

『変わらないと、世界は変わらないよ。』

白黒の世界に、色を塗るんだ。好きなように、自分の色で。


「おはよう!!」

そう思った、今日の翌日。

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