短編集

@eian

第1話

真っ黒い液体、タールみたいな、が俺の中に満ちている。それで、刺されたわけだから、ドロドロ流れていく。嫌な顔をするなよ、お前、刺したんだから。黒い液に流れる以外の動きがある。小さい動きがいくつもある。よく見れば何かがうごめいているではないか。そしてそれは、小さい何か蠢くものの塊だ。私はここからでられない。猫は会議をしていた、記憶。ナイフはとっくに浸かって、見えなくなって、二人もなくなっていて、上から照らす月が光を、涅槃にいった仏様の前回の受肉体(ナイフを装備)の代わりになのか、何度も敏捷に刺しては、音を立てている、ーーーーーーーーと。なあってそんな顔するなよ。




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