第11話

はーちゃんからの突然の告白に私も動揺せざるを得なかった。だけれどあんな表情で言うんだもの、信じないだなんて私はそんなこと言う人間ではない。色々読み漁ったり、小説とかも読んでみたけれど悪役令嬢が現代転生だなんて一切出てこない。


『ローゼ、ホットココアはどうだい?』


かつカセットの攻略対象が一切はーちゃんのキャラに靡かないものだから、まったくはーちゃんとほかの人たちの接点が思い浮かばない。ローゼとはヒロインの名前だ。今は茗荷谷先輩…ガブリエル攻略真っ最中だ。そもそもこのヒロインが現代にいないのよね。


『ねえ、賭けをしないかい?前も話したじゃないか。俺の、その研究会に入らないかって話。どうしてもだめかな。』


ヒロインを壁に追い込み、問い詰めるガブリエル。はーちゃんへの既視感がとてつもなくある。そうなんだ、ヒロインが現実にいないのと問題がもう一つ。攻略対象たちがこぞってはーちゃんを狙っているということ。鬼丈くんは無意識っぽかったけど。


…いいわよ。もう、しょうがないわね。

→だめよ。私、研究会に興味ないもの。


私怨があるためかついつい力の篭もった返答になってしまうため、余計に上手くいかない。輝さんも鬼丈くんもわりと普通に攻略できたんだけどな。


『つれないなあ。まあ、そんな君が好きな俺の負けなんだけどさ。』


頬にキスするガブリエル。これがイベントなのか。女性向けゲームを基本やらないから鳥肌モノだ。



『いじわる?ははっ、知ーらないっ。ねえローゼ。研究会なんて入らなくていい。断られるのなんて初めから知ってたからさ。ただ…そのままの君でいて。俺はそんな君が好きなんだから。』


Sキャラのガブリエルがヒロインの手を頬へ持っていく。つくづく思う。二次元だからこその良さってあるんだな。


「もう今日はここまでにしようっと、イベント長すぎだよ。」


あのまま鬼丈くんは生徒会に属し、はーちゃんも今まで好きだった図書委員とゲーム部を控えめにしながらの公安委員の活動に勤しんでいる。


生徒会も新体制になりすぐに始まるイベントーー文化祭。波乱の予感しかしない。





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