わたぼうし
物
第1話
夜風にしたたるつゆと土。
ふく風かおる道すがら。
ただこうむるはわたぼうし。
それなるきわには流るる川の、しかしおよぐはかつてと違い。
それはたとえば遠く山野の、幼きころの思いとなれば、草をつみ。たはたをていれし。
沢におりてはかにを取り。
あるいは鯉でもさばいてみるもの。
こうしてみあげる山々は、ひかりをよくうつしだす石英の、しかし木々の映える彼らと違い、いかにも息をつまらせる。
わたのとばぬは空気のせいか、あるいは水のよどみのせいか。
しかしこれらの是非のあらずは、みずからのたたえる『みず』にこそあれば。
いかに飛ばすや、わたぼうし。
いかで飛ばずや、わたぼうし。
わたぼうし 物 @Laevel653124710
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます