第6話『調査開始』
放課後。早速、調査が開始された。まず新聞部へと
「急いだ様子で階段を上がっていくのを見たんだけど……そこで彼女足を思いっきり滑らせてそのまま宙に浮かんでそのまま踊り場に背中から落ちると思ってたら――」
「葉月が消えた……?」
その風花の言葉にその少女は深く
「あのぉー……
2人の前に暗そうな雰囲気の少女が現れた。彼女はオカルト研究部の部長であり、噂で葉月の失踪にオカルト的要素を含んでいることを知り、興味が湧き風花たちに話を聞きに来たのであった。とりあえずその彼女の案内でオカルト部の部室でその失踪事件についての話をすることとなった。風花としてはたとえどんな僅かでも、希望が見えるならば何が何でもすがりたい状態であった。もしかしたらオカルトに詳しい彼女なら、何か少しでもいいから情報が得られるかもしれない。そんな期待を胸に抱き、風花は部室へと赴くのであった。
「――ふむふむ……状況はわかりましたぁ……それに思い当たる節があります……」
風花が葉月の失踪事件について簡潔に説明すると、納得したように何度か頷いてそんな風花にとってはとても嬉しい言葉を口にする。
「ホント!?」
まるで水を得た魚のように元気を取り戻し、前のめりになって部長に迫る風花。今までに全くなかったそんな言葉に、期待が風船のようにどんどんと膨らんでいく。
「えぇ……もちろんそれは科学のように完全に証明されたものではなく、確実性に欠けますが……1つの説としては十分かとぉ……」
「どんな非科学的なものでもいいから、聞かせて!」
風花は
「え、えぇ……おそらくそれは――」
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使われなくなったある教会。
「神さま。もし私をお許しになってくださるのなら、樫野葉月を……私の大切な人を返してください! 私は……あの人なしでは生きてはいけません。彼女がいたからこそ、私は今ここにこうして存在できるのですだから――」
困った時の神頼み。まさにその言葉通り、風花はそうやって神に祈りを捧げていた。作法なんて全く知らないので、これがはたして正しいのかもわからない。そもそもここはもう廃墟で、神さまにこの声が届くのかもわからない。だけれど、もう風花にはそうやって祈る以外の方法はなかったのだ。ただひたすらに葉月の帰りを願い、待つしかなかったのだ。きっと、きっと葉月と再会できると信じて――
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