17歳 高校生 女

「え、何してんの」




暑さも落ち着いた夜、部活帰りにコンビニへ行くと、イートインスペースで幼馴染がカップラーメンを啜っていた。





まず、何故家に帰って食べないのか?


という疑問よりも先に、彼が手にしているフォークが目に付いた。




「フォークて。ぶりっ子か。」


「は?箸で食べるより10倍美味いんだよ」


「そんなばかな」




小腹がすいていた事もあり、私も彼と一緒のラーメンを買うことにした。




「お箸とフォーク、どちらをおつけしますか?」


え、ラーメン買うときにフォークいるか聞かれるの?メジャーなの?




「…フォークで」



彼はすでに食べ終わってしまっていたが、どうやら待っていてくれそうなので、お湯を貰って隣に座った。




「カップラーメン久しぶり」


「へぇ」



時間がきた気がして、フタを開けて、おそるおそるフォークで食べてみた。




「…うん。美味しい…気がする」


「だろ?」



彼は得意げにニヤリと笑った。





「“ラーメンは箸で食べるもの”なんて固定概念は捨てるべきだな」


「君が考えた訳でもないでしょ」


「まぁな」


「それに…」


「ん?」




君の隣で食べるから美味しいのかもしれない。なんて、言えないけどね。

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